はじめに

このルールはGURPS第3版完訳版の自作サプリメントで、「プロレス」に特化したものです。
このルールでゲームをするためには、他に「GURPS ベーシック」第3版完訳版が必要です。

キャラクター

キャラクターの作成

「GURPS プロレスリング」はロボット、宇宙人、超人などのクリーチャーには対応していません。キャラクターは人間になります。
地球上でプロレスができる地域ならどこでも背景となりえます。プロレスが盛んな地域は、北米、メキシコ、日本、カナダ、イギリスなどが挙げられます。
男女差による試合での判定に対する有利不利はありませんが、性別によっては参加できない試合形式や、男性(または女性)にしか効果がないプロレス技が存在します。

キャラクターのCP総計

プロレスラーやプロレス参戦する格闘家の作成時CP目安は以下の通りです。
練習生(威厳0) 100CP
新人選手(威厳1〜2) 150CP
若手選手(威厳2〜4) 200CP
中堅選手(威厳3〜5) 250CP
トップクラスの選手(威厳5〜) 300CP〜

これはあくまでも目安で、所属する団体がメジャーな巨大団体であれば目安よりもCPは高めになるし、所属する団体がマイナーなインディー団体であれば目安よりもCPは低めに調節するべきでしょう。
不利な特徴の取得はキャラクター作成開始時CPの50%程度とします。例えばキャラクター作成開始時CPが150CPだった場合、不利な特徴は合計-75CPくらいまで取得が制限されます。

スタミナポイント

ダメージはヒットポイント(HP)ではなく、スタミナポイントを消費する事で試合を進行します。
スタミナポイントは頭部・胴体・腕部・脚部に設定され、疲労点(FP)を基準としてスタミナポイント表の通りに算出します。

スタミナポイント表
頭部(頭や首) FP×1
胴体(腹部や腰) FP×1
腕部(肘や肩) FP×1
脚部(膝や足首) FP×1

特徴「体重」レベル(後述)により、各スタミナポイントがスタミナポイント修正(「体重影響表」参照)分、増減されます。

文明レベル

「GURPS プロレスリング」の背景となる時代は現代(TL8)が主です。プロレスの原型になるものが19世紀に存在しているので、TL5〜7の時代が背景になることもあるでしょう。

特徴

取得を禁止する特徴

有利な特徴
闇視、癒し、運命、完全平衡感覚、死ににくさ、祝福、赤外線視力、超能力の耐性、追加HP、追加疲労点、魔法の素質、魔法の耐性、読み書きできる(10CP)
不利な特徴
運命、お祭り好き(-10CP)、近視/遠視(-25CP)、特異点、読書障害(-5CP)、呪い、不運の運び手(-60CP)、読み書きできない(0CP)

必須特徴

社会的必須特徴

威厳 5CP/レベル
あなたはプロレス業界において、ある程度の実績を持った選手です。
キャラクターがプロレスラーとしてどれくらい強いかを感じさせる「雰囲気」の事で、「レスラーの格」を数値化したものです。「GURPS プロレスリング」では、プロレスの試合に参加するプロレスラーや格闘家、引退した選手は必ず選択しなければならない特徴です。
威厳のレベル差のあるレスラーと戦う場合、格上(威厳レベルが高い方)の選手は、以下のボーナスを得ます。
・能動防御にレベル差分のボーナス修正
・攻撃や準備行動など(フェイントは除く)に対する防御の即決判定にレベル差分のボーナス修正
・ダメージにレベル差分のボーナス修正
また、1試合に「威厳」レベル分の回数まで「必殺心」を使うことができます。
ただし、これらのボーナスはプロレスの試合に限り、他の格闘技試合や、試合以外の素手戦闘では得られません。
キャラクターの威厳はGMがとれる範囲を決定します。また、いくら威厳を高く設定しても、その威厳に見合った期待に応えられなければ、GMの判断により1レベルずつ威厳を下げられます。この場合のCPの払い戻しはありません。逆にすばらしい活躍、試練を乗り越えたPCは、GMの許可を得て5CP消費し、威厳を1レベル上げることができます。
威厳レベルの目安は、威厳表の通り。これはプロレスラーやプロレスの試合に参加する格闘家、引退した選手の場合のものです。職業がプロレスラーや格闘技業界ではない、例えば学生プロレスの選手やプロレスラーを演じているエキストラなどは状況によって威厳表より1〜3レベルくらい威厳が落ちる場合があります。
レフェリーやリングアナウンサーなどのプロレス業界にはいるもののプロレスの試合経験がないキャラクター、プロレスの試合とは無関係なキャラクターは、この特徴を取得することはできません。

威厳表
レベル 説明
0 練習生。プロレスの試合ができる技術や基礎体力を有していない。
1 新人選手。プロレスラーとしてデビューしたばかりの選手。
2 実力のある新人選手または若手選手。試合はあまり期待されていない。
3 若手〜中堅選手。脇役としてある程度の試合を期待される。
4 若手〜中堅選手。出来の良い脇役としてある程度の試合を期待される。
5 中堅選手。団体の名誉を担い、独自の個性の打ち出しに成功している。
6 トップクラス選手。団体の名誉を守るべき位置にいる。無様な試合は許されない。
7 トップスター選手。団体の名誉を守るべき位置にいる。強力な存在感を持ち、ファンに感動を与えなければならない。普通、このレベルの選手が団体のエースになる。
8 スーパースター選手。常にプロレス界をリードしなければならない。実在する選手に例えるなら、日本では力道山、アントニオ猪木、ジャイアント馬場ぐらいで、これぐらいの実力、スター性、一般人への知名度がなければ、このレベルを与えるべきではない。

団体規模 さまざま
あなたはプロレス団体に所属しています。
キャラクターが所属しているプロレスや他の格闘技の興行運営団体の規模を表します。「団体規模」は「後援者」「足手まとい」の一種で、所属している長期契約選手(短期契約の選手は「フリーランス」になります)は必ずこの特徴を取らなければなりません。興行運営団体に所属していないキャラクターがこの特徴を取ることはできません。
この興行運営団体はアマチュアのプロレスサークルや格闘技団体も含まれます。職業がプロレスラーや格闘家ではないキャラクターであっても興行運営団体に所属、契約をしている場合は必ず取得しなければなりません。
規模によってCPが変わります。団体はシナリオを作るGMが決定するので、その指示に従います。
「団体規模」の目安は団体規模表の通りです。

団体規模表
団体規模 CP 説明
超弱小団体 -15 団体所属レスラーが4人以下、トップレスラーの威厳(+知名度レベルの合計)がレベル4以下の団体です。興行的にも苦しく、選手はファイトマネーだけでは生活できません。世間的な知名度は皆無といっていいでしょう。
弱小団体 -10 団体所属レスラーが8人以下、トップレスラーの威厳がレベル5以下の団体です。なんとか独立してやっていける程度で、選手たちのファイトマネーも決して満足できるものではありません。
中規模団体 -5 団体所属レスラーが12人未満、トップレスラーの威厳がレベル6以下の団体です。年に数回は大会場で興行する事ができます。
大団体 0 団体所属レスラーが12人以上、トップレスラーの威厳がレベル7はある団体です。会社組織としてもかなりしっかりしたものを持ち、道場などの設備もかなり整っています。テレビ局と放送契約している可能性もあります。
巨大団体 5 団体所属レスラーが16人以上、威厳がレベル7の選手が複数いる可能性があります。高額のファイトマネー、整った設備、引退後のケアシステムなどもかなり充実しています。会場は常に満員で、テレビ局と放送契約している可能性もあります。
超巨大団体 10 団体所属レスラーが40人以上、威厳がレベル7の選手が複数います。高額のファイトマネー、整った設備、引退後や負傷時のケアシステムなどもかなり充実しています。会場は常に満員で、テレビ局と放送契約しています。
フリーランス 0 どこの団体にも属さない選手で、自分の実力のみを頼りに、いろいろな団体を渡り歩く選手です。ファイトマネーや待遇は、キャラクターの実力や人気、その団体の規模により差が出ます。

肉体的必須特徴

体重 ±2CP/レベル
あなたは体重が重い(もしくは軽い)選手です。
体重が重い、もしくは軽いことによって、試合において様々なボーナスやペナルティを獲得できます。「GURPS プロレスリング」では、プロレスの試合に参加するプロレスラーや格闘家、引退した選手は必ず選択しなければならない特徴です。プロレスラーや格闘家ではない一般人のキャラクターは取得する必要はありませんが、アマチュアの選手やプロレスラーや格闘家を演じる職業のキャラクターは取得しなければなりません。
「体重」によって、空中殺法やコーナーポストに登るなどの軽快な動作をする際の修正、持ち上げる技を受けた場合や自爆ダメージ、各部のスタミナポイントに影響します。また体重差によって、持ち上げる技の防御(即決防御)修正、体重を乗せる技が成功した際と持ち上げる技を受けた際の追加ダメージに影響します。
「体重」レベルによる効果は体重影響表、体重差による効果は体重差影響表の通りです。「体重」を特徴として取得する必要のないキャラクターでも、プロレスの試合で攻撃を受けた場合、体重影響表と体重差影響表の影響を受けます。


体重影響表
体重(s) 体重レベル 空中殺法修正 自爆ダメージ スタミナポイント修正
〜 40 -5 +2 0 +2
41〜 55 -4 +1 0 +2
56〜 70 -3 +1 0 +1
71〜 85 -2 0 0 +1
86〜100 -1 0 0 0
101〜115 0 0 0 0
116〜130 1 0 0 -1
131〜145 2 -1 +1 -1
146〜160 3 -1 +1 -2
161〜175 4 -2 +2 -2
176〜190 5 -2 +2 -3
191〜205 6 -3 +3 -3
206〜220 7 -3 +3 -4
221〜      8 -4 +4 -4

体重差影響表
体重差(s) 持ち上げ技防御修正 体重追加ダメージ
0〜 9 0 0
10〜 19 +1 0
20〜 29 +2 +1
30〜 39 +3 +1
40〜 49 +4 +1
50〜 59 +5 +2
60〜 69 +6 +2
70〜 79 +7 +2
80〜 89 +8 +3
90〜 99 +9 +3
100〜109 +10 +3
110〜119 +11 +4
120〜129 +12 +4
130〜139 +13 +4
140〜149 +14 +5
150〜159 +15 +5
160〜169 +16 +5
170〜179 +17 +6
180〜189 +18 +6
190〜199 +19 +6
200〜      +20 +7

追加される有利な特徴

「プロレスリング(第3版完訳版対応)追加特徴一覧」#追加される有利な特徴を参照のこと。

追加される不利な特徴

「プロレスリング(第3版完訳版対応)追加特徴一覧」#追加される不利な特徴を参照のこと。

特徴チャート

「プロレスリング(第3版完訳版対応)追加特徴一覧」#特徴チャートを参照のこと。

技能

最初の技能

「GURPS プロレスリング」では、プロレスの試合に参加するプロレスラーや格闘家、引退した選手といったプロレス経験のあるキャラクターは、年齢の2倍までしか技能にCPを使ってはいけない制限はありません。プロとして毎日専門的に格闘技をやっているレスラー達に、この制限はあてはまらないのです。
またプロレス関連の技能を専門的に学ぶ事のできないキャラクターはプロレス関連の格闘技能を習得できません。

取得を禁止する技能

運動系技能
身体感覚(肉体/難)、飛行(肉体/並)
学術系技能
異種族学/文明(精神/難)、異生物学/種別・文明(精神/並)、錬金術(精神/至難)
戦闘系技能
バトルスーツ/文明(肉体/並)、ビーム兵器/種別・文明(肉体/易)、フォースシールド(肉体/易)、フォースソード(肉体/並)
全ての超能力系技能
全ての魔術系技能

「GURPS ベーシック(第3版完訳版)」以外のサプリメントからの追加技能

「プロレスリング(第3版完訳版対応)追加技能一覧」#「GURPS ベーシック(第3版完訳版)」以外のサプリメントからの追加技能を参照のこと。

素手戦闘技能「プロレス」

プロレスの試合では<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>を用いて攻撃や防御を行ないます。
プロレスラーは必要以上に相手を傷つけない技術(具体的に言うと目に蹴りを入れない、折れる寸前で関節技を止めるなど)を持ち、この技術により<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>での攻撃はHPにダメージを与えずにスタミナポイントにダメージを与えることができます。このようにあくまでも「試合」用の素手戦闘技能であり、プロレス以外の格闘技試合や試合ではない素手戦闘の場合は<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>を用いることはできず、他の素手戦闘技能を習得していない場合は技能なし値にある他の素手戦闘技能に置き換えて用いることになります。また、プロレスの試合で<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>を使ってHPに直接ダメージを与える攻撃(「加減抜き攻撃」参照)を行なうことはできません。

プロレスラーを「演じる」役者やエキストラの場合、試合は<プロレス打撃技/型><プロレス投げ技/型><プロレス関節技/型>を用いて行います。趣味としてプロレスの試合を行なうキャラクター(学生プロレス、草プロレスなど)の場合、試合は<プロレス打撃技/スポーツ><プロレス投げ技/スポーツ><プロレス関節技/スポーツ>を用いて行います。例えば草プロレスの試合で選手がチョップをする場合は<プロレス打撃技/スポーツ>技能を使って判定を行ないます。
他の戦闘系技能と同様、<プロレス○○/型>と<プロレス○○/スポーツ>は敏捷力基準で、対応する<プロレス○○>と難易度や技能なし値が同じです。また<プロレス○○/型><プロレス○○/スポーツ>と対応する<プロレス○○>とは、それぞれの技能なし値が「その技能-3」になっています。

「GURPS プロレスリング」追加特徴

運動系技能

プロレス打撃技(肉体/並) 技能なし値:空手/スポーツ-2、ボクシング/スポーツ-3、格闘/スポーツ-3
プロレスの試合でプロレスの打撃技を使っての攻撃やプロレスの打撃技に対する防御を行なうための技能です。
あなたが素手で防御している場合、両腕で1ターンに1回だけ「受け」ができ、能動防御「受け」の数値が技能レベルの2/3(端数切り捨て)になります。
試合でプロレスの打撃技を使用する場合、ダメージを計算するとき<プロレス打撃技>レベルの1/5(端数切り捨て)分がプラスされます。また、プロレスの打撃技に対して、<プロレス打撃技>レベルの1/8(端数切り捨て)+1分の防護点を得ることができます。

プロレス投げ技(肉体/並) 技能なし値:柔道/スポーツ-2、レスリング/スポーツ-2、相撲/スポーツ-3
プロレスの試合でプロレスの投げ技を使っての攻撃やプロレスの投げ技に対する防御を行なうための技能です。
あなたが素手で防御している場合、両腕で1ターンに1回だけ「受け」ができ、能動防御「受け」の数値が技能レベルの2/3(端数切り捨て)になります。
試合でプロレスの投げ技を使用する場合、ダメージを計算するとき<プロレス投げ技>レベルの1/5(端数切り捨て)分がプラスされます。また、プロレスの投げ技に対して、<プロレス投げ技>レベルの1/8(端数切り捨て)+1分の防護点を得ることができます。

プロレス関節技(肉体/並) 技能なし値:柔道/スポーツ-2、レスリング/スポーツ-3
プロレスの試合でプロレスの関節技を使っての攻撃やプロレスの関節技に対する防御を行なうための技能です。
あなたが素手で防御している場合、両腕で1ターンに1回だけ「受け」ができ、能動防御「受け」の数値が技能レベルの2/3(端数切り捨て)になります。
試合でプロレスの関節技を使用する場合、ダメージを計算するとき<プロレス関節技>レベルの1/5(端数切り捨て)分がプラスされます。また、プロレスの関節技に対して、<プロレス関節技>レベルの1/8(端数切り捨て)+1分の防護点を得ることができます。

専門技能

競技知識/プロレス(精神/易) 技能なし値:知力-4
プロレスの試合のルール、作法、競技規則の知識です。
プロレスの試合を行なうため、またはプロレスの審判をするために必要な技能です。あなたが選手としてレフェリーや審判に抗議する場合、あなたは影響判定の代わりに<競技知識/プロレス>技能を使用することができます。ただしこの用途の場合、常に-3かより悪い修正があります。
プロレスの運営組織を特定してください。違う運営組織でルールが違う(例えば試合がラウンド制、リングアウトのカウント数が違う、リングが六角形など)場合、互いに-2で技能なし値になります。
※修正:文化の修正。長い歴史を持つゲームの場合、時が経てばより研究が進みます。そのため違う時代出身の競技者が戦う場合、より後の競技者の技能レベルに+1されます。

職業技能/プロレスジャッジ(精神/並) 技能なし値:競技知識/プロレス-3
プロレスの試合の審判を行なう技能です。
プロレスのルールを正確に把握し、試合をスムーズに進行させます。他に観客にわかりやすいアクションや、カメラの邪魔にならない様なポジションを取るための技術も含まれます。
この技能を使い、レフェリーは、凶器のチェック、反則裁定、ブレイク、フォール、場外カウント、レフェリーストップといった裁定を行うことができます。
プロレスの運営組織を特定してください。違う運営組織でルールが違う(例えば試合がラウンド制、リングアウトのカウント数が違う、リングが六角形など)場合、互いに-2で技能なし値になります。

技能チャート

「プロレスリング(第3版完訳版対応)追加技能一覧」#技能チャートを参照のこと。

注意が必要な技能

格闘
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<格闘>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<格闘/スポーツ>を用います。<格闘/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス打撃技>を持っている選手は、技能なし値の<格闘/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことになります。試合以外の通常戦闘では、<プロレス打撃技>を技能なし値の<格闘/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<格闘>(技能なし値は「<格闘/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<格闘/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<格闘>)を用いる場合は、<格闘/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<格闘>)に対応したプロレス技を用いて攻撃を行います。このプロレス技で攻撃した場合、ダメージを計算するとき<格闘/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<格闘>)レベルの1/8(端数切り捨て)分がプラスされます。

空手
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<空手>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<空手/スポーツ>を用います。<空手/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス打撃技>を持っている選手は、技能なし値の<空手/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことができます。試合以外の通常戦闘では、<プロレス打撃技>を技能なし値の<空手/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<空手>(技能なし値は「<空手/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<空手/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<空手>)を用いる場合は、<空手/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<空手>)に対応したプロレス技を用いて攻撃を行います。このプロレス技で攻撃した場合、ダメージを計算するとき<空手/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<空手>)レベルの1/5(端数切り捨て)分がプラスされます。

柔道
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<柔道>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<柔道/スポーツ>を用います。<柔道/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス投げ技><プロレス関節技>を持っている選手は、技能なし値の<柔道/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことができます。試合以外の通常戦闘では、<プロレス投げ技>か<プロレス関節技>を技能なし値の<柔道/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<柔道>(技能なし値は「<柔道/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<柔道/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<柔道>)を用いる場合は、<柔道/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<柔道>)に対応したプロレス技を用いて攻撃を行います。このプロレス技で攻撃した場合、ダメージを計算するとき<柔道/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<柔道>)レベルの1/6(端数切り捨て)分がプラスされます。
また、プロレスの試合で、打撃技を「受け」られたターンでの組んでいる状態のプロレス技に対する防御の即決勝負の際には、この技能レベルの1/8(端数切り捨て)分ボーナスを得ることができます。関節技をかけられて「ロープへにじりよる」判定の際、敏捷力の代わりに<柔道/スポーツ>、<柔道>で代用することができます。

相撲
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<相撲>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<相撲/スポーツ>を用います。<相撲/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス投げ技>を持っている選手は、技能なし値の<相撲/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことができます。試合以外の通常戦闘では、<プロレス投げ技>を技能なし値の<相撲/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<相撲>(技能なし値は「<相撲/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<相撲/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<相撲>)を用いる場合は、<相撲/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<相撲>)に対応したプロレス技を用いて攻撃を行います。このプロレス技で攻撃した場合、ダメージを計算するとき<相撲/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<相撲>)レベルの1/7(端数切り捨て)分がプラスされます。
また、プロレスの試合で、自分の姿勢が立っている場合の組んでいる状態のプロレス技に対する防御の即決勝負の際には、この技能レベルの1/8(端数切り捨て)分ボーナスを得ることができます。

ボクシング
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<ボクシング>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<ボクシング/スポーツ>を用います。<ボクシング/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス打撃技>を持っている選手は、技能なし値の<ボクシング/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことができます。試合以外の通常戦闘では、<プロレス打撃技>を技能なし値の<ボクシング/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<ボクシング>(技能なし値は「<ボクシング/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<ボクシング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<ボクシング>)を用いる場合は、<ボクシング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<ボクシング>)に対応したプロレス技(パンチ)を用いて攻撃を行います。パンチで攻撃した場合、ダメージを計算するとき<ボクシング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<ボクシング>)レベルの1/5(端数切り捨て)分がプラスされます。

レスリング
プロレスの試合や、異種格闘技戦などの格闘技の試合で<レスリング>を用いる場合、スタミナポイントだけではなく、通常の戦闘通り生命点にもダメージを与えます。「加減抜き攻撃」参照。格闘技の試合において、プロレスの試合と同様にスタミナポイントにダメージを与える場合は、通常<レスリング/スポーツ>を用います。<レスリング/スポーツ>を習得しておらず、<プロレス投げ技><プロレス関節技>を持っている選手は、技能なし値の<レスリング/スポーツ>に置き換えて攻撃を行なうことができます。試合以外の通常戦闘では、<プロレス投げ技>か<プロレス関節技>を技能なし値の<レスリング/スポーツ>に置き換えて、そこからさらに<レスリング>(技能なし値は「<レスリング/スポーツ>-3」)に置き換えて攻撃を行うことになります。
プロレスの試合で<レスリング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<レスリング>)を用いる場合は、<レスリング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<レスリング>)に対応したプロレス技を用いて攻撃を行います。このプロレス技で攻撃した場合、ダメージを計算するとき<レスリング/スポーツ>(加減抜き攻撃なら<レスリング>)レベルの1/7(端数切り捨て)分がプラスされます。
また、プロレスの試合で、組んでいる状態のプロレス技に対する防御の即決勝負の際には、この技能レベルの1/8(端数切り捨て)分ボーナスを得ることができます。

ウェイトリフティング
この技能を習得することによって「小柄なくせにパワーがある」キャラクターを作ることができます。
この技能を生命力と同じレベルで習得していれば、キャラクターは体格表を1ランク落として見ることができます。生命力+1以上で習得していれば体格表を2ランク落として見ることができます。
例えば、生命力+1以上のレベルで<ウェイトリフティング>を習得しているキャラクターは、体力14なら体格表の体力12(標準70-110s)の体格を、体力12なら体格表の体力10(標準57.5-87.5s)の体格を使用できるようになるわけです。

軽業
プロレス技の中には<軽業>が前提条件となるものが存在します。
試合中、1ターンに1回、アクロバットよけを試みることができます。アクロバットよけとは"曲芸的な"よけのことで、相手の斬撃を飛び越したり、側転でよけたりといった行為を表します。よけの判定を行なう前に<軽業>技能で判定して、成功すれば「よけ」に+1されます。失敗すると「よけ」は-2されてしまいます。
また、高い所から落下した際に<軽業>判定に成功すると、ダメージが1点軽減されます。

跳躍
プロレスの試合では、トップロープを飛び越えるなどの跳躍が必要とされる場面があります。その場合、<跳躍>と敏捷力のうち高い方を使用して判定します。また、相手が離れていて攻撃できない距離にいても、跳躍できる状況ならば<跳躍>技能レベルの半分(端数切り捨て)をジャンプの基本移動力として使用することができます。
試合中、空中殺法(備考に「空殺」があるプロレス技)の打撃技で攻撃する場合、敏捷力+2以上のレベルで習得していれば命中判定に+1のボーナスを得ます。

プロレス業界の職業と関連技能

「GURPS プロレスリング」においてPCはプロレスラーだけではありません。プロレスラー以外のプロレス業界関係者や一般人もPCとして選択できます。当然NPCとしてもプロレスラー以外の業界関係者や一般人が登場することも多くあるでしょう。
プロレス業界関係者と言ってもプロレスラーを経験している必要はありません。プロレス未経験の一般人であったり、プロレスラーを引退したりプロレスラーが兼任していたりします。
以下に、プロレス業界に関わる職業と取得するべき技能や有利になる技能を挙げていきます。

プロレスラー
プロレスの試合を行なう職業で、「GURPS プロレスリング」においてPCのほとんどが選択されるでしょう。
プロレスの技能だけではなく、プロレスラーを「演じる」ための演劇やプロパガンダといった技能取得が有利になるケースがあります。
関連技能     演劇、競技知識/プロレス、プロパガンダ、プロレス、礼儀作法/道場、レスリング/スポーツ

レフェリー
レフェリーは試合の審判をする職業です。
試合を裁くレフェリーがいなければ試合が成立しません。運営スタッフ、経営者、トレーナーが兼任していたり、プロレスラーが臨時でレフェリーを行なう場合もあります。
関連技能     競技知識/プロレス、職業技能/プロレスジャッジ

マネージャー
マネージャーはプロレスラーと契約し、その契約したプロレスラーのギャラ管理や試合のブッキングなどを行なう職業です。
契約したプロレスラーのためにキャラクターイメージの作成や、場合によっては試合に介入することもあります。トレーナー、プロレスラーが兼任している場合があります。
関連技能     演技、演劇、外交、プロパガンダ

運営スタッフ
会場やリングの設営、チケットやグッズの販売、会場のセットや特殊演出の作成、営業などを行うプロレス団体の裏方の仕事を担当している職業です。
試合に参加している選手のコスチュームや小道具を控え室に戻したり、乱闘を止めるといった作業も運営スタッフの仕事に含まれます。レフェリー、経営者、トレーナー、プロレスラーが兼任している場合もあります。
関連技能     運転/大型自動車、大工、商人、社交、美術/舞台設営

経営者
プロレス団体の経理や運営をする管理職です。
レフェリー、運営スタッフ、トレーナー、プロレスラーが兼任している場合もあります。
試合に参加している選手のコスチュームや小道具を控え室に戻したり、乱闘を止めるといった作業も運営スタッフの仕事に含まれます。レフェリー、経営者、トレーナー、プロレスラーが兼任している場合もあります。
関連技能     会計、外交、管理、財政

リングドクター
プロレスラーの体調管理、試合でのドクターストップの判断、アクシデントが発生した場合の応急処置を行う職業です。
プロレス団体の専属医だったり開業医の副業としてやっています。規模が小さい団体ではリングドクターがいないことが多々あります。その場合の体調管理や応急処置はトレーナーやレフェリー、プロレスラーが行ないます。
関連技能     医師、応急処置、診断、生理学

トレーナー
プロレスラーの育成、トレーニング指導をする職業です。
大抵、引退したプロレスラーがトレーナーになりますが、経営者やプロレスラーが兼任している場合もあります。
関連技能     指導、生理学、プロレス、礼儀作法/道場、レスリング/スポーツ

アナウンサー
プロレスのテレビ中継で試合の実況やプロレスラーなどにインタビューをするテレビアナウンサー、もしくは興行でリングコールを行なうリングアナウンサーがあります。
テレビアナウンサーはテレビ局勤務やフリーランス、リングアナウンサーはプロレス団体専属やフリーランスだったり経営者やプロレスラーが兼任している場合もあります。
関連技能     演説、社交、時事知識/スポーツ

ジャーナリスト
プロレス関連の雑誌などで取材、ニュース記事の編集や提供を行う職業です。
関連技能     社交、時事知識/スポーツ、調査

カメラマン
プロレスの試合をテレビ中継や動画撮影、プロレス関連の雑誌などで試合の写真を撮る職業です。
関連技能     写真撮影、電子機器操作/メディア

プロレス技

プロレスの試合における攻撃手段はプロレス技です。
プロレス技の種類は大きく3つに分かれています。
打撃技 自分の身体の一部分を相手に叩きつけることでダメージを与える技
投げ技 相手を持ち上げて地面などに叩きつけることでダメージを与える技、もしくは相手の身体を丸め込むことでフォールする技
関節技 相手の関節を逆に曲げたり無理な圧力を加えることでダメージを与える技、技をかけ続けることで継続的にダメージを与えられます

プロレス技には技ランクが設けられています。ランクが上がるごとに技レベル、命中修正のペナルティ、威力修正のボーナスが上がります。
プロレス技の技レベルに、その技を使うのに必要な技能が達していなければ、その技ランクのプロレス技を使うことができません。例えば、技ランク2の投げ技が技レベル14だとすると、<プロレス投げ技>が14以上であれば使用できます。
また、その技を使用するための前提条件が能力値や他の技能などのプロレス技もあるので、必要な技能レベルが達していても、その技ランクのプロレス技が使えるとは限りません。

プロレス技の成功判定は、基準となる技能(例えばボディスラムなら<プロレス投げ技>)に命中修正を加えたものを基準とします。
そのプロレス技が成功した場合、「突き」の基本ダメージに威力修正を加えたものが、与えられるダメージになります。相手の防護点分を減少させたダメージ分だけ相手の命中箇所のスタミナポイントを減らします。

プロレス技には攻撃するための自分や相手の姿勢に制限がある技前姿勢があります。例えば投げ技のボディスラムは自分が立っていて、相手も立っていて、相手に組んでいなければ使うことができません。姿勢が立っている(遮蔽物にもたれかかって立っている、または逆さに立てかけられている体勢も含まれます)、姿勢がしゃがんでいるか膝立ちか座っている(「跪いている」に総称します、遮蔽物にもたれかかって跪いている体勢も含まれます)、姿勢が這っているか伏せている(「倒れている」に総称します)、姿勢が立っていて走っているか飛んでいる場合、それぞれに技前姿勢があります。
また同じ姿勢でも、離れているか、組んでいるかによってプロレス技が使えない場合があります。これ以外にも自分がリング内にいて相手が場外にいる場合、自分がコーナーポスト上などの相手よりも高い位置にいる場合、相手がロープ際にいる場合などの条件があるプロレス技もあります。

またプロレス技には、技が成功した後に技後姿勢をとります。この技成功は、相手の防御「受け」が成功した場合も含まれます。自分と相手それぞれに技後姿勢があります。例えば投げ技のフライングメイヤーは技が成功した後は、自分は膝立ち、相手は仰向けに伏せている姿勢になります。技が成功した後は、離れた状態か組んでいる状態かを選択することができますが、関節技は技をかけたまま、つまり組んでいる状態になります。
プロレス技が失敗した場合の技後姿勢は以下の通りです。
組みつきを「よけ」られる 自分、相手とも技前姿勢のまま。「自爆」がついている技や、コーナーポスト上など相手よりも高い位置から飛びついて組もうとした場合は自分は転倒して自爆ダメージを受ける。
打撃技の命中判定に失敗する、打撃技を「よけ」られる 自分は技後姿勢になる、備考に「自爆」がついている技の場合は自爆ダメージを受ける。相手は技前姿勢のまま。
投げ技、関節技の即決勝負に負ける 自分、相手とも技前姿勢のまま、組みついた状態になる。
ロープに振る、ひき起こすなどの準備行動の即決勝負に負ける 自分、相手とも技前姿勢のまま、組みついた状態になる。

プロレス技が成功してダメージを与えた場合、頭部、胴体、腕部、脚部のうち、一箇所のスタミナポイントを減らすことができ、その命中箇所はプロレス技によって異なります。
「頭、胴」、「一箇所」など、命中箇所が複数ある場合は、そのうちのどれか一箇所のスタミナポイントを減らすことになります。

得意技

技能レベルが技レベルに達して使えるようになったプロレス技は、CPを消費すると「得意技」にすることができます。得意技は「必殺心」を使用することで必殺技として使用できます。
得意技にするためのCP消費は以下の通り。
技ランク 消費CP
R1 0.5CP
R2 1CP
R3 2CP
R4 4CP
R5 6CP
R6 8CP

高い技ランクの技を得意技にするためには、同じ技種類の技ランクが1つ下のプロレス技を2つ以上得意技にしなければいけません。例えば、投げ技のジャーマンスープレックス(ランク4)を得意技にするためには、ランク1の投げ技2つ以上、ランク2の投げ技2つ以上、ランク3の投げ技2つ以上を得意技にする必要があります。

高い技ランクを得意技にすると、低い技ランクの同じ技を得意技として使用することができます。例えば、投げ技のジャーマンスープレックス(ランク4)を得意技にすると、ジャーマンスープレックス(ランク2)とジャーマンスープレックス(ランク3)も得意技として使用できます。

CPを消費して得意技にしていないプロレス技は、その技を使うのに必要な技能が技レベルに達している、かつ前提条件を満たしていれば使用できますが、そのプロレス技の技ランクが最も低いものしか使用できません。また、得意技にしていないプロレス技に「必殺心」を使用することはできません(必殺技として使用できません)。

フォール技

プロレス技の中には、技が成功したら必ずフォールの体勢に入る「必須フォール技」(備考に「必フ」があるプロレス技)、技成功後の体勢のままフォールが可能な「選択フォール技」(備考に「選フ」があるプロレス技)があります。
必須フォール技は他の技のように相手の身体の一部にダメージを与えるものではなく、相手がフォールを返すことでスタミナを奪っていく技です。したがってフォールが認められない場外や試合ルールの中にフォールによる勝利がない場合は、この技によってダメージを与えることができません。ただし、高低差のある場所から投げ落としたり、床にガラスが敷き詰められていたり有刺鉄線ボードなどの突き刺す凶器の上にこの技が仕掛けられた場合は技のダメージを与えることができます。

技リスト

「GURPS プロレスリング(第3版完訳版対応)プロレス技一覧」#技リストを参照のこと。

プロレス技表

「GURPS プロレスリング(第3版完訳版対応)プロレス技一覧」#プロレス技表を参照のこと。

新しいプロレス技

GMと協議した上で、新しい技を開発することができます。
最初に技種類を決めます。技ランクごとの技レベル、命中修正、威力修正は下記のうちのひとつになります。

打撃技
{R1/L8/±0/±0}{R2/L10/-2/+1}{R3/L12/-4/+2}{R4/L14/-6/+3}{R5/L16/-8/+4}
{R1/L9/±0/±0}{R2/L11/-2/+1}{R3/L13/-4/+2}{R4/L15/-6/+3}{R5/L17/-8/+4}
{R1/L9/-1/±0}{R2/L11/-3/+1}{R3/L13/-5/+2}{R4/L15/-7/+3}{R5/L17/-9/+4}
{R1/L10/-1/±0}{R2/L12/-3/+1}{R3/L14/-5/+2}{R4/L16/-7/+3}{R5/L18/-9/+4}
{R1/L10/-2/±0}{R2/L12/-4/+1}{R3/L14/-6/+2}{R4/L16/-8/+3}{R5/L18/-10/+4}

投げ技
{R1/L8/±0/±0}{R2/L10/-3/+1}{R3/L12/-6/+2}{R4/L14/-9/+3}{R5/L16/-12/+4}{R6/L18/-15/+5}
{R1/L8/-1/±0}{R2/L10/-4/+1}{R3/L12/-7/+2}{R4/L14/-10/+3}{R5/L16/-13/+4}{R6/L18/-16/+5}
{R1/L9/-1/±0}{R2/L11/-4/+1}{R3/L13/-7/+2}{R4/L15/-10/+3}{R5/L17/-13/+4}{R6/L19/-16/+5}
{R1/L9/-2/±0}{R2/L11/-5/+1}{R3/L13/-8/+2}{R4/L15/-11/+3}{R5/L17/-14/+4}{R6/L19/-17/+5}
{R1/L10/-2/±0}{R2/L12/-5/+1}{R3/L14/-8/+2}{R4/L16/-11/+3}{R5/L18/-14/+4}{R6/L20/-17/+5}

関節技
{R1/L8/±0/±0}{R2/L10/-3/±0(防-1)}{R3/L12/-6/+1}{R4/L14/-9/+1(防-1)}{R5/L16/-12/+2}{R6/L18/-15/+2(防-1)}
{R1/L8/-1/±0}{R2/L10/-4/±0(防-1)}{R3/L12/-7/+1}{R4/L14/-10/+1(防-1)}{R5/L16/-13/+2}{R6/L18/-16/+2(防-1)}
{R1/L9/-1/±0}{R2/L11/-4/±0(防-1)}{R3/L13/-7/+1}{R4/L15/-10/+1(防-1)}{R5/L17/-13/+2}{R6/L19/-16/+2(防-1)}
{R1/L9/-2/±0}{R2/L11/-5/±0(防-1)}{R3/L13/-8/+1}{R4/L15/-11/+1(防-1)}{R5/L17/-14/+2}{R6/L19/-17/+2(防-1)}
{R1/L10/-2/±0}{R2/L12/-5/±0(防-1)}{R3/L14/-8/+1}{R4/L16/-11/+1(防-1)}{R5/L18/-14/+2}{R6/L20/-17/+2(防-1)}

そのプロレス技が大技だった場合は技ランクはR2からになりますし、大技では使われないような小技の場合は技ランクはR3〜までになります。技ランクごとの技レベル、命中修正、威力修正を決めた後は、技前姿勢、命中箇所、技後姿勢、備考を決めていきます。反則技はダメージが大きめ(さらに+1、(防-1)の追加など)になります。
新しいプロレス技を作るにあたって他の技とのバランスが重要となるため、他の技を参考にしながら作成していくと良いでしょう。

<プロレス>以外の<素手戦闘技能/スポーツ>での攻撃

プロレスの試合において、プロレス技を使って攻撃する場合、<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>(凶器攻撃では<プロレス>以外の技能を使う場合があります。「凶器攻撃」参照。)のいずれかが判定、ダメージの基準になります。
技種類が格闘技、空手技、柔道技、相撲技、ボクシング技、レスリング技のプロレス技は、<素手戦闘技能(格闘、空手、柔道、相撲、ボクシング、レスリング)/スポーツ>を用いて、その技能を判定、ダメージの基準とすることができます。

凶器攻撃

肉体以外の物(凶器)や遮蔽物を使って相手を攻撃できます。
身体の一部に凶器をつけてプロレス技を行なったり、プロレス技で物や遮蔽物に叩きつけることができます。格闘技や通常のプロレスの試合では反則裁定の対象になり反則負けになる可能性があります。
1以上の攻撃範囲を持つ凶器を使った場合、自分がどの姿勢であっても、また相手はどの姿勢であっても攻撃ができます。凶器によってはダメージを増加させたり、素手戦闘技能以上のダメージを与えることができます。命中判定や即決勝負には影響しません。また、スタミナポイントにダメージを与えると同時に凶器によるダメージ増加も加えて算出されたプロレス技のダメージ-3が直接ヒットポイント(HP)に与えられます。このダメージも防護点による減少があります。
自分の荷重基本値、凶器の大きさや重さによっては持って使用することができなかったり持ち上げるために体力の成功判定が必要な場合があります。凶器によって与えられるダメージや判定に必要な技能が変わります。以下の凶器表を参照してください。

凶器表
●凶器による打撃
凶器 使用する技能 ダメージ
ブラスナックル、鉄製手袋 拳を使うプロレス技 プロレス技+1
栓抜き、フォーク 拳を使うプロレス技 プロレス技+1
凶器ブーツ 足を叩きつけるプロレス技 プロレス技+1
鎖巻きつけ 巻きつけた身体の一部を叩きつけるプロレス技 プロレス技+1
有刺鉄線巻きつけ 巻きつけた身体の一部を叩きつけるプロレス技 プロレス技+2
パイプ椅子を持たせて打撃 打撃技 プロレス技+1
蛍光灯を持たせて打撃 打撃技 プロレス技+2
ヌンチャク <フレイル> 振+1
竹刀 <ブロードソード>、<ブロードソード/スポーツ> 振-1、突-1
木刀 <ブロードソード>、<ブロードソード/スポーツ> 振+1、突+1
トンファー <トンファー> 振+1、突+1
警棒 <ショートソード> 振、突
バット <両手斧・メイス>、<スポーツ/野球> 振+1、突+1
金属バット <両手斧・メイス>、<スポーツ/野球> 振+2、突+2
有刺鉄線バット <両手斧・メイス> 振+3、突+3
杖、棒 <杖> 振+2、突+2
角材 <杖> 振+1、突+1
蛍光灯 <杖> 振+2、突+2
ロープ叩きつけ <鎖> 振-2
鎖叩きつけ <鎖> 振+2
<鞭> 振-2
パイプ椅子 パイプ椅子攻撃 パイプ椅子攻撃
スチールケース パイプ椅子攻撃 パイプ椅子攻撃
ゴミ箱 パイプ椅子攻撃 パイプ椅子攻撃
ゴング パイプ椅子攻撃 パイプ椅子攻撃+1
ラダー(折りたたみ梯子) パイプ椅子攻撃-2 パイプ椅子攻撃+1
パウダー <投げ> ダメージなし(相手は「不完全な不意討ち」の状態になる)、この技は「受け」ることができません。
スタンガン <格闘>、敏捷力 生命力-3の判定に失敗すると、(20-生命力)ターンの間、朦朧としてしまいます。
●凶器を持って倒れている相手に身体を落としていく攻撃
凶器 使用する技能 ダメージ
パイプ椅子 身体を落とす打撃技 プロレス技+1
蛍光灯 身体を落とす打撃技 プロレス技+2
有刺鉄線が巻かれたもの 身体を落とす打撃技 プロレス技+2
●吹きつける攻撃
凶器 使用する技能 ダメージ
毒霧 <火喰い> ダメージなし(相手は「不完全な不意討ち」の状態になる)、この技は「受け」ることができません。
火炎放射 <火喰い> 3D、この技は「受け」ることができず、防護点による減少はありません。
●凶器でのチョーク
凶器 使用する技能 ダメージ
ロープ、鎖 チョーク チョーク+1
棒状のもの チョーク チョーク+1
有刺鉄線が巻かれたもの チョーク チョーク+2
●遮蔽物に相手を振って叩きつける攻撃
遮蔽物 使用する技能 ダメージ
鉄柵 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+1
コーナークッションなしのターンバックル 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+1
壁、バリケード 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+1
金網 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+1
鉄柱 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+2
有刺鉄線 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+1
有刺鉄線ボード、剣山ボード 叩きつけ攻撃 叩きつけ攻撃+2
●リング内以外の床に投げ技
床、物 使用する技能 ダメージ
場外(マットあり) 地面に投げる投げ技 プロレス技+1
場外(マットなし) 地面に投げる投げ技 プロレス技+2
エプロンサイド 地面に投げる投げ技 プロレス技+1
ロープ 地面に投げる投げ技 プロレス技+1
コーナークッションありのターンバックル 地面に投げる投げ技 プロレス技+1
コーナークッションなしのターンバックル 地面に投げる投げ技 プロレス技+2
パイプ椅子 地面に投げる投げ技 プロレス技+1
ラダー 地面に投げる投げ技 プロレス技+2
テーブル 地面に投げる投げ技 プロレス技+2
画鋲、ガラスの破片 地面に投げる投げ技 プロレス技+2
有刺鉄線ボード、剣山ボード 地面に投げる投げ技 プロレス技+2

加減抜き攻撃

試合用のプロレス技で「実戦」のように攻撃します。
プロレスの試合で、格闘技、空手技、柔道技、相撲技、ボクシング技、レスリング技のプロレス技を<プロレス>以外の素手戦闘技能(<格闘><空手><柔道><相撲><ボクシング><レスリング>)で攻撃すると「加減抜き攻撃」になります。<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技><プロレス以外の素手戦闘技能/スポーツ>技能を用いて、加減抜き攻撃を行なうことはできません。凶器攻撃による「加減抜き攻撃」はその凶器に使用する白兵武器技能、使用する技能がプロレス技の場合は該当する<プロレス>以外の素手戦闘技能(/スポーツではない)を用いることで行ないます。
プロレス技は通常スタミナポイントにダメージを与える攻撃ですが、技を使う前に「加減抜き」を宣言することでスタミナポイントだけでなくヒットポイント(HP)にもダメージを与えることができます。
得意技のように「加減抜き攻撃」用のプロレス技としてCPを消費して習得した技でのみ、加減抜き攻撃が使用できます。命中判定や即決勝負には影響しません。スタミナポイントにダメージを与えると同時にプロレス技のダメージ-3が直接ヒットポイント(HP)に与えられます。このダメージも防護点による減少があります。
加減抜き攻撃用に習得した技で普通の攻撃をする場合、または得意技で加減抜き攻撃をする場合は、打撃技の場合は-2、投げ技・関節技の場合は-3のペナルティがつきます。このペナルティは得意技にしていないプロレス技で攻撃する際のペナルティと累計されます。
「金的攻撃」との併用はできません。「必須フォール技」での加減抜き攻撃はできません。「GURPS プロレスリング」では、加減抜きの攻撃を使った試合を「喧嘩試合」と呼びます。喧嘩試合は危険で、再起不能の選手や最悪死者を出しかねないので、加減抜き攻撃は、よほどの事がない限りタブーにした方がよいでしょう。

金的攻撃

プロレス技で相手の急所である鼠径部(股間部分)を攻撃します。
この金的攻撃は「加減抜き攻撃」のように急所を攻撃してHPを削るものではなく、鼠径部を攻撃することにより、相手の動きを一時的に止めるのを目的としています。
備考に「金的」があるプロレス技が金的攻撃に使用できます。金的攻撃としてプロレス技を行なうためには、プロレス技の命中判定の場合は-4、即決勝負の場合は-6のペナルティがつきます。金的攻撃が成功したら、プロレス技のダメージの他に相手は「不完全な不意討ち」と同等の精神的な朦朧状態になります。
「加減抜き攻撃」との併用はできません。格闘技や通常のプロレスの試合では反則裁定の対象になり反則負けになる可能性があります。

この金的攻撃は女性キャラクターには精神的な朦朧状態にさせる効果はなく、プロレス技ダメージしか与えられません。「目を晦ます」攻撃は金的攻撃と同等の効果があります。
打撃技のサミング、凶器攻撃のパウダーと毒霧は、プロレス技の命中判定に-4のペナルティをつけずに判定ができます。これら目を晦ます攻撃が成功したら相手は「不完全な不意討ち」と同等の精神的な朦朧状態になります。
目を晦ます攻撃は男女問わず精神的な朦朧状態にさせる効果があり、この技も「加減抜き攻撃」との併用はできず、格闘技や通常のプロレスの試合では反則裁定の対象になり反則負けになる可能性があります。

キャラクターの成長

ボーナスCPの獲得

1回のシナリオが終了すると、GMにボーナスのCPを貰えます。シナリオ内のプレイ内容によってはCPを減らされる場合もあります。ボーナスCPの目安は以下の通りです。1回のシナリオで獲得できるCP上限は3点としますが、「世間の認識に対して、プロレスの評判を高める活躍をした」「賢明な行動を取ったり、特殊な問題を解決した」ことによって獲得できるCPが3点を超えてしまった場合は、5〜6点を上限としても構いません。
キャラクターの性格を上手くプレイした 1〜2CP
キャラクターの性格を大変上手くプレイした 2〜3CP
キャラクターの性格から外れたプレイした -1〜-3CP
一進一退の白熱した試合をする事ができた 1〜2CP
ひとりよがりの一方的な試合をした -1〜-2CP
相手のHPをマイナスにしたり、怪我を負わせてしまった -1〜-3CP
世間の認識に対して、プロレスの評判を高める活躍をした 2〜3CP
世間の認識に対して、プロレスの評判を落とす事件を起こした -2〜-3CP
賢明な行動を取ったり、特殊な問題を解決した 行動毎に1CP

実際にプレイしてない時期の成長

キャンペーンプレイなどでプレイ外で何ヶ月経過する場合があります。「GURPS プロレスリング」の選手は、プレイしていない期間も練習や試合をこなして成長しているため、ゲーム世界の時間で1ヶ月以上プレイしていないときは自動的に以下のボーナスCPを得ることができます。
プロレスのみ専念できる環境 1ヶ月ごとに3CP
プロレスのみ専念できない環境 1ヶ月ごとに2CP
プロレス以外の仕事が本業の場合 1ヶ月ごとに1CP
負傷欠場中 1ヶ月ごとに0CP

年齢と老化

「GURPS プロレスリング」では、体力または敏捷力が14以上のキャラクターは、ある一定の年齢を越えると、その能力を維持するために、より一層の練習(CP)が必要になります。
男性は40歳、女性は35歳の誕生日から1年ごとに、その能力値ひとつにつき以下のCPを消費しなければならず、もし誕生日に必要なCPがなかった場合は能力値が13になるまで1ずつ落ちていくことになります。
40〜44歳(女性は35〜39歳) 5CP
45〜49歳(女性は40〜44歳) 10CP
50歳以上(女性は45歳以上) 15CP

戦闘

試合ルール

「GURPS プロレスリング」における主な戦闘はプロレスの試合です。プロレスの試合では「GURPS ベーシック」とは違う戦闘ルールで運行していきます。
シナリオによっては街中の喧嘩や暴漢に襲われるなどによる通常の戦闘やプロレス以外の格闘技の試合を行なう場合があるかもしれません。その場合は、プロレスの試合ルールを用いずに、「GURPS ベーシック」の戦闘ルールを用いて行なわれます。プロレスの試合以外の戦闘では<プロレス>技能を使うことはできません。他の戦闘技能を用いるか、<プロレス>技能なし値で戦闘技能を用いることになります。

試合の場所

プロレスの試合は会場中央にリングと呼ばれる試合のための正方形のステージを設置して行なわれます。
標準的なリングの広さは6m四方、地面からリングまでの高さは120p前後。リングの床にはマットが敷かれています。リングの四方には3本のロープが張られており、リング四隅(コーナーと呼ばれる)にはロープを止めるコーナーポストが設置されています。ロープは中にワイヤーが入っている頑丈なもので、コーナーポストは鉄柱、コーナーポストとロープはターンバックルと呼ばれる金具で繋ぎ止められており、ターンバックルへの衝突を防ぐため、四隅にはコーナークッションが付けられます。
リングのうち、囲われたロープの内側がリング内、外側がエプロンサイドと呼ばれます。標準的なエプロンサイドの幅は約50pです。リングの外は場外と呼ばれ、そのうちリング周辺をリングサイドと呼びます。
コーナーポスト4柱のうち1本は赤い柱、その対角線上にある柱は青い柱で、それぞれ赤コーナー、青コーナーと呼ばれています。それ以外の2本の柱はニュートラルコーナーと呼ばれています。

試合の決着

試合にはレフェリーと呼ばれる審判が1人リング内で試合の裁定を行ないます。プロレスの試合の主な決着方法は以下の通りです。
フォール 相手の両肩をマットにつかせた状態のまま、レフェリーが3カウント数えたら勝利
ギブアップ 相手を関節技で絞めあげたなどのときに、対戦相手が口頭で、もしくは技を仕掛けている選手の身体の一部またはマットを叩くこと(タップと呼ばれる)により敗北意志の提示をしたら勝利
ノックアウト(KO) ダメージを食らって転倒した相手が、レフェリーの10カウント数える間に立ち上がれなかったら勝利
リングアウト リングの外に出た相手が、レフェリーの20カウント(10カウントの場合もあり)数える間再びリング内に戻れなかったら勝利
レフェリーストップ これ以上技を受け続けていると重傷を負うと判断した場合、レフェリー権限で強制的に試合を終わらせる決着方法
反則勝ち(負け) 選手の反則行為が試合を妨げるとレフェリーが判断したときに、反則裁定により試合を中止する決着方法

反則

プロレスの試合には反則行為が存在します。反則裁定に触れるものは主に以下の通りです。
目、喉、急所への攻撃
肉体以外の物(凶器)を使った攻撃
拳、つま先での攻撃
相手に噛みつく行為
髪の毛を掴む行為
爪を立てて掻きむしる攻撃
指を1本だけ取って攻撃する行為
ロープに身体が触れている相手に攻撃する行為
レフェリーに対する暴行行為
試合権利の無い選手や人による試合介入行為

時間

「GURPS ベーシック」の戦闘ルールでは、1ターン=1秒となっていますが、「GURPS プロレスリング」では、試合のプレイにかかった時間の1/2=ゲーム世界で過ぎた試合の時間とします。
例えば、試合時間30分は、実際のプレイで60分かかると言うわけです。試合部分のプレイを始めてから28分47秒で勝負が決まったとすれば、ゲーム内では14分23秒(端数切り捨て)が試合終了時間となります。

ターンの流れ

試合でのターンは下記のように進行していきます。

(決まっていなければ)イニシアチブの決定

イニシアチブのある選手の移動、準備行動

イニチアチブのある選手の攻撃(または準備行動)

(立っている姿勢で自由に動ける状態ならば)イニシアチブのない選手の準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニシアチブのない選手の攻撃(または移動、準備行動)

プロレスの試合では、「再装填」、「狙い」、「集中」は使用できません。「姿勢変更」、「準備」はベーシックのルールのものは使用せず、「準備行動」に含まれます。

イニシアチブ

「GURPS ベーシック」の戦闘ルールでは、敏捷力順のルールとなっていますが、「GURPS プロレスリング」では、1Dを振って、数の大きい選手がイニシアチブを取ることができます。数が同じ場合は敏捷力が高い選手がイニシアチブを取ります。以後、イニシアチブを持っている選手から行動をします。イニシアチブを持っている間、先攻であり続けます。
イニシアチブを持たない後攻がイニシアチブを取るには、先攻にダメージを与える(イニシアチブを持っている選手が自爆してダメージを受けた場合も含む)、または全力攻撃(先制攻撃)を選択する必要があります。後攻が先攻にダメージを与えると、先攻が持っていたイニシアチブを持つことができ、次のターン、後攻が先攻に入れ替わることになります。

全力攻撃の効果のひとつに(フェイント即攻撃)があります。これはイニシアチブを持たない後攻が、先攻のターンの攻撃を行なう前まで(先攻ターン開始から準備行動の終了まで)に、この効果の全力攻撃を宣言することで、イニシアチブを奪って後攻が先攻になることができます。
ただし、「組みつく」以外の準備行動はできず、現時点の姿勢で行なえる攻撃(または組みついて攻撃)しか行なえません。全力攻撃なので、このターンの後攻の攻撃に対して能動防御(「よけ」「受け」)は使用できず、即決勝負では-10のペナルティがつくことになります。この効果によってイニシアチブを奪われた側がこのターンで全力攻撃を使ってイニシアチブを奪い返すことはできません。

イニシアチブを1Dで決めるターンの始めで、この全力攻撃の効果を使用してイニシアチブを取ることができます。試合開始前の奇襲攻撃は、この全力攻撃の効果を使用することによって行います。
試合開始前の奇襲攻撃を受けた選手は、知力判定を行ないます。知力判定に失敗したら「不完全な不意討ち」を受けたことになり、精神的な朦朧状態になります。知力判定に成功すればペナルティはありません。イニシアチブは奇襲をした側が持っているので、奇襲した側が先攻になります。
イニシアチブを1Dで決めるターン初めに、この全力効果を使用してからの攻撃は必ずしも奇襲攻撃とは限りません。敵が試合前であったり、何らかの理由で敵の気がそれている状態(GMの判断)でなければ、奇襲攻撃は成立せず、単にイニシアチブを奪ってからの攻撃になります。

移動

移動力の範囲内で移動します。
イニシアチブをもつ選手が準備行動に移る前(もしくは準備行動の途中)に、またはイニシアチブのない選手が攻撃をする代わりに「移動」を選択できます。自分が立っている姿勢のときに移動できます。プロレスの試合では1ターン=1秒ではなく、試合のプレイにかかった時間の1/2=ゲーム世界で過ぎた試合の時間で、1ターンは約5秒前後を想定しているので、1ターンで移動できる範囲は移動力(m)よりも広くなります。また、ロープの反動や助走、コーナーポストから飛ぶ移動には移動力を消費しません。移動の成功判定は必要ありません。
下記の移動力消費表は現在いるコーナーを基準とします。下記の表はリングの大きさが約6m四方、リングからリングサイドまでの高さは約1.2m、エプロンサイドの幅は約0.5m、リングサイドの幅は約1.5m、中会場を想定しています。会場の大きさによって多少変化します(GMが判断します)。

移動力消費表
場所 消費移動力
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線先の観客席最後列 11
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線先の選手入場口 9
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線先の観客席中央 8
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線先の通路中央 7
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線リングサイド、観客席最前列 5
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→対角線コーナー、エプロンサイド 4
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→隣のコーナー 3
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→リング中央 2
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド 0
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→付近のリングサイド、観客席最前列 1
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→付近の通路中央 3
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→付近の観客席中央 4
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→付近の選手入場口 5
現在いるコーナー、付近のエプロンサイド→付近の観客席最後列 7
エプロンサイド→隣の側のエプロンサイドへ 3
リングサイド→隣の側のリングサイドへ 4
観客席最前列→隣の側の観客席最前列へ 6
観客席中央→隣の側の観客席中央へ 8
観客席最後列→隣の側の観客席最後列へ 10


移動力消費表にあるエプロンサイドはリング内のロープとリングの淵の間の部分、リングサイドはリング周辺の場外部分を指します。リング四隅にコーナーポストがありロープが張られ、リングサイドと観客席の間には鉄柵があると想定しています。
表にある場所の位置関係はリング中央−コーナー(ロープ)−エプロンサイド−リングサイド−(鉄柵、バリケード)−観客席最前列−観客席中央−観客席最後列、もしくはリング中央−コーナー(ロープ)−エプロンサイド−リングサイド−観客席最前列−通路中央−選手入場口となります。

場外リングサイドからリングのエプロンサイドに上がる、もしくはリングのエプロンサイドから場外リングサイドに降りる行動、もしくはロープ、鉄柵やバリケードをまたいで越える行動にも移動力が必要です。場外からリングに上がる、もしくはリングを降りる場合、ロープをまたいで越える必要があります。リングの昇降や遮蔽物を越えるための成功判定は必要ありません。これらの行動によって消費する移動力は下記の表の通りです。

行動に使う移動力消費表
行動 消費移動力
ロープをまたいで越える 3
リングに上がる、リングを降りる 5
鉄柵をまたいで越える 3
バリケードをまたいで越える 5

例えば観客席最前列からリング中央に移動する場合、消費する移動力は観客席最前列→エプロンサイド(1)+観客席とリングサイドの間に鉄柵があるのでそれを越える(3)+リングに上がる(5)+ロープを越える(3)+エプロンサイド→リング中央(2)で、合わせて14必要になります。観客席最前列から選手入場口に移動する場合、消費する移動力はエプロンサイド→選手入場口(5)-エプロンサイド→観客席最前列(1)で、4必要になります。

転倒したまま移動

倒れている姿勢でも転がることで移動ができます。
「移動」と同様に、イニシアチブをもつ選手が準備行動に移る前に、またはイニシアチブのない選手が攻撃をする代わりに選択できます。転倒したまま移動するために、敏捷力で成功判定を行ないます。もし、直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして成功判定を行ないます。判定に成功すれば、転倒したまま移動することができます。判定に失敗したら、転倒したままの移動はできません。
移動力は1/3(端数切り捨て)になります。移動後も倒れている姿勢のままです。転がってリングを降りる場合は移動力5を消費する必要はありません。また転がりながらロープをくぐる場合は移動力3を消費する必要ありません。リングに転がって上がるとき、伏せている姿勢に変更すればロープをまたぐ移動力3を消費しなくて済むわけです。

能動防御

よけ

よけの数値は、移動力と同じ数値です。
1ターンに何度も「よけ」を試みることができますが、判定は1回の攻撃に対して一度だけです。
プロレスや格闘技の試合における「よけ」は、相手の組みつきに対して、有利なポジション取り合戦で相手の動きを制して、自分が有利な位置にすりぬける防御も含まれます。自分に向かって助走をつけて攻撃する相手や高い位置から自分に向かって飛んで攻撃する相手にカウンター攻撃をする場合は、「よけ」が成功してから走ってくる(飛んでくる)相手に攻撃をすると見なします。

受け

受けの数値は、<プロレス打撃技><プロレス投げ技><プロレス関節技>のうち最も高いレベルの技能の2/3(端数切り捨て)です。
「受け」は1ターンに1回しか試みることができません。全力防御を選択している場合には、「受け」を1ターンに2回行うことができます。「受け」判定に成功した場合、防護点+5分のダメージを軽減させることができます。高い位置からの打撃技に対する「受け」判定に成功した場合、防護点+2分のダメージしか軽減させることができません。
プロレスの試合における「受け」は、胸板とか肩口に当てることによる衝撃の吸収も含まれます。

止め

プロレスや格闘技の試合では使用しません。
凶器などの物で相手の攻撃を防ぐ場合、能動防御の「止め」ではなく、「よけ」が成功してから防ぐのに使用した物で相手の攻撃に使った箇所(例えばパンチなら腕部、キックなら脚部)を攻撃すると見なします。

準備行動

準備行動とは、プロレス技以外の"ダメージを与えない"行動です。
この後に試みようとするプロレス技を実行するための体勢変更、プロレス技のダメージを増やすための補助的行動であったり、相手のプロレス技から逃れるための行動であったりします。
準備行動は「準備ポイント」を消費することで行動ができます。準備行動とそれに消費する準備ポイントは以下の通りです。

準備行動表
準備行動 必要な準備ポイント 判定 備考
組みつく 0 なし、倒れている姿勢の場合は「敏捷力-直前ダメージ分」で成功判定 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能
ふりほどく 3 自分の「体力」と相手の「体力」とで即決勝負 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能
助走をつける 1 なし 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能
ロープに振る 自分の「体力」か「<プロレス>各技能レベル」のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正) 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能
          ロープに振る 1
          コーナーポストに振る 1
          場外の相手をリング内に入れる 2
姿勢変更
          倒→跪 1 「敏捷力-直前ダメージ分」で成功判定(立ち上がり判定、遮蔽物に捕まっての立ち上がり判定は+3ボーナス)
          跪→立 1 「敏捷力-直前ダメージ分」で成功判定(立ち上がり判定、遮蔽物に捕まっての立ち上がり判定は+3ボーナス)
          立→跪 1 なし
          跪→倒 1 なし
ひき起こす 「<プロレス>各技能レベル-2」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正) 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能
          倒→跪 1
          跪→立 1
組みついたまま移動
          組みついて立っている相手を移動 2 「<プロレス>各技能レベル-3」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正) 移動力は1/2(端数切り捨て)
          組みついて跪いている相手を移動 3 「<プロレス>各技能レベル-3」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正) 移動力は1/3(端数切り捨て)
          組みついて倒れている相手を移動 3 「<プロレス>各技能レベル-3」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正) 移動力は1/3(端数切り捨て)
          関節技をかけている相手を移動 2 なし 関節技をかけられている側の関節技を外す判定の「ふりほどき」、「技で反撃」に+2のボーナス
エプロンサイドへ投げ入れる 3 自分の「体力-2」か「<プロレス>各技能レベル-2」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正
フォール なし 相手は倒れている姿勢、または選択フォール技が成功したら任意でフォール可能、必須フォール技が成功した場合は必ずフォールになる
          立っている姿勢からフォール 2
          跪いている姿勢からフォール 1
          倒れている姿勢からフォール 1
          技がかかった体勢のままフォール 0
登る
          セカンドロープまで 2 「敏捷力+4」か「<登攀>+8」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 失敗したらセカンド(サード)ロープ上でそのターンの行動が終了
          セカンドロープ→トップロープ 1 「敏捷力」か「<登攀>+5」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 失敗したらコーナーポスト上でそのターンの行動が終了
          テーブルの上に乗る 2 「敏捷力+4」か「<登攀>+8」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 失敗したらテーブル上でそのターンの行動が終了
          ラダーに登る 2 なし 1ターンで1m登れる
          金網に登る 3 「<登攀>+5」の成功判定 成功すれば1ターンで1m登れる
飛び乗る
          セカンドロープの高さまで 2 「敏捷力」か「<軽業>+4」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能、失敗したら転倒
          トップロープの高さまで 3 「敏捷力-4」か「<軽業>」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能、失敗したら転倒
ロープを飛び越える 2 「敏捷力」か「<跳躍>」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正) 後攻の場合、準備ポイントなしでも可能、失敗したら転倒
コーナーに乗せる 3 「自分の体力-6」か「<プロレス>各技能レベル-6」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正)
逆さに立てかけさせる 3 「自分の体力-6」か「<プロレス>各技能レベル-6」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負(「体重」の持ち上げ技防御修正)
凶器準備 なし 反則裁定の対象
          隠している凶器を取り出す 3
          隠している毒霧、火炎放射のタネを取り出す 6
          手に収まる小さな物を受け取る 2
          片手で持てる物を受け取る 3
          両手で持つ大きな物を受け取る 5
          落ちている凶器を拾う 2
          場外にあるゴングを取り出す 4
          場外にあるパイプ椅子、テーブル、ラダーを取り出す 6
設置 なし 反則裁定の対象
          パイプ椅子の設置 3
          ラダー、テーブルの設置 5
          場外リングサイドに敷かれているマットを1枚はがす 6
凶器を奪う 自分の「体力」と相手の「体力」とで即決勝負 相手の凶器に「組んでいる」体勢か凶器攻撃に対する「受け」が成功して倒れなかった体勢で可能
          手に収まる小さな物を奪う 3
          片手で持てる物を奪う 5
          両手で持つ大きな物を奪う 6

準備ポイントが足りていても準備行動が何度もできるわけではありません。1ターン内に「組みつく」以外の準備行動は1回しかできません。
「ロープに振る」「エプロンサイドへ投げ入れる」「フォール」「コーナーに乗せる」「逆さに立てかけさせる」「凶器を奪う」は同一ターンのうち、どれか1つしか選択できません。「登る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」は同一ターンのうち、どれか1つしか選択できません。
イニシアチブのない選手の順番のとき、立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は、攻撃や行動に移る前に準備ポイントがなくても「組みつく」「助走をつける」「ふりほどく」「ひき起こす」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」の準備行動が可能です。

準備ポイント

「準備ポイント」とは準備行動をするために必要なポイントです。
前ターンでプロレス技や自爆によって相手に与えたダメージと同じ数だけの準備ポイントを得ることができます。例えば、ボディスラムで相手に4点のダメージを与えた場合、次のターン開始時に準備ポイント4点を得ることになります。イニシアチブを持っていない側が準備ポイントを持つことはありません。
準備ポイントを消費して準備行動を行ないます。準備ポイントは使い切らなくても構いませんが、準備ポイントが余っても次のターンには引き継がれません。ただし、準備行動のうち「フォール」を行なった場合は例外で、フォールを返されても残りの準備ポイントを引き継いで次のターンに移ることになります。

組みつく

相手の身体をつかむ行動です。
当然、組まれておらず、離れている体勢で対象の相手が手に届く範囲にいなければ、この行動は選択できません。組みついた後にプロレス技やプロレス技以外の行動をとります。プロレス技や行動の中には組みついた状態でなければ仕掛けられないものがあります。
基本的には両手や片手で組みつきますが、両足で相手の身体を挟むのも組みつきに含まれます。両手か片足で(その後に仕掛けるプロレス技によっては両足で)状態で距離的に組みつけることができるなら、どの姿勢からでも組みつくことはできます。移動してから組みつき、助走をつけて組みつき、相手に届く範囲であれば高い位置から飛びついての組みつきも可能です。

組みつきを仕掛ける側は成功判定をする必要はありません。ただし、倒れている姿勢のまま相手に組みつくには敏捷力で成功判定を行なって成功しなければなりません。もし、直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして成功判定を行ないます。
組みつきを回避するには能動防御の「よけ」判定を成功させる必要があります。備考に「空殺」がついている投げ技と関節技を仕掛けるための組みつきは、「体重」による空中殺法修正のマイナス数値が組みつきに対する「よけ」に適用されます。
組みつきの「よけ」に成功したら、組みつかれず離れた状態で組みつきを仕掛けた側は行動終了となります。「自爆」があるプロレス技の場合、組みつきを仕掛けた側は打撃技の場合は技後姿勢(自)、投げ技か関節技の場合は転倒して自爆ダメージを受けます。高い位置から飛びついての組みつきを「よけ」られた場合は後述「高い位置にいる相手に攻撃」を参照のこと。

消費する準備ポイントは0です。この準備行動は1ターンに何回でも行なえます。

ふりほどく

ふりほどくことによって、相手に組まれている体勢から離れている体勢にする行動です。
ふりほどくには自分の体力と相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。判定に勝てばふりほどいたことになり、相手と離れている体勢になります。負けた(引き分けも含む)場合は相手に組まれたまま、そのターンの行動が終了します。
関節技を相手に仕掛けていて自ら外す場合は、準備ポイントを消費する必要も、成功判定の必要もありません。

消費する準備ポイントは3(関節技を自ら外す場合は0)です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

助走をつける

自ら走る、もしくはロープリバウンドを利用して助走をつける行動です。
助走をつけるには自分が立っている姿勢で離れている体勢でなければなりません。助走をつけることによって自分の体勢が「走っている」になります。助走に成功判定の必要はありません。
相手が助走をつけている攻撃を「よけ」て、相手が立っている姿勢の場合は、「よけ」に成功した側の任意で相手を走っている体勢にすることができます。

消費する準備ポイントは1です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

ロープに振る

自分と相手が立っていて組みついている体勢なら、相手をロープに向かって振ることができます。
ロープに振るには自分の体力か<プロレス>各技能レベルのうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行なわなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手をロープに振ることができ、相手はロープの反動で自分の方に向かって走る体勢になります。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

この「ロープに振る」は、相手が自分に向かって走る体勢になるのを待つ行動も含まれます。これは自分と相手が離れている場合に選択できます。相手が抵抗する場合は便宜上「ロープに振る」と同じ判定を行ないます。判定に負けた(引き分けも含む)場合は相手は走らずに相手と離れた体勢のままで、この場合、そのターンの行動は終了しません。

また、「ロープに振る」の要領で、相手をコーナーポストに向かって振ることができます。
判定に勝てば相手をコーナーポストに振ることができ、相手はコーナーポストにもたれかかって立っている体勢になります。相手を鉄柵、鉄柱、壁、ターンバックルなどの遮蔽物に向かって振る場合は、プロレス技「叩きつけ攻撃」として扱い、「叩きつけ攻撃」の判定を行ないます。遮蔽物によってダメージが変化します。「凶器攻撃」を参照のこと。

ロープに振る要領で、場外の相手をリング内に投げ入れることができます。
判定に勝てば相手を場外からリング内へ倒れている姿勢で投げ入れることができます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。この方法でテーブルなどの自分の肩までの高さの半分くらいの場所に寝かせることができます。

消費する準備ポイントは1です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「エプロンサイドへ投げ入れる」「フォール」「コーナーに乗せる」「逆さに立てかけさせる」「凶器を奪う」の準備行動はできません。

姿勢変更

自分の現在の姿勢を別の姿勢に変更します。
自分が跪いているか倒れている姿勢から立っている姿勢に変更する(立ち上がる)ためには、敏捷力で成功判定を行ないます。この成功判定は「立ち上がり判定」と呼ばれます。もし、自分が倒れている姿勢で、直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして(自分が跪いている姿勢ならば直前ダメージのペナルティはつけません)成功判定を行ないます。判定に成功すれば、立ち上がったことになり立っている姿勢に変更できます。この立ち上がり判定の目標値と同じ目だった場合は、跪いている姿勢に変更(自分が跪いている姿勢ならば跪いている姿勢のまま)できます。判定に失敗したら、姿勢はそのままで、そのターンの行動が終了します。イニシアチブを持っている選手が立ち上がり判定によって、倒れている姿勢から立っている姿勢に変更するには消費ポイントが2必要ですが、消費ポイントが1しかない場合は跪いている姿勢までしか変更できません。
立っている姿勢から跪いているか倒れている姿勢に変更するための判定をする必要はありません。
ロープやコーナーなどの遮蔽物が手に届く範囲にあるならば、遮蔽物に捕まることで立ち上がり判定を有利にすることができます。立ち上がり判定に+3のボーナスがつきます。遮蔽物に捕まって立ち上がり判定に成功した場合、立っている、跪いているに関わらず、遮蔽物にもたれかかった体勢になります。

消費する準備ポイントは倒れている→跪いている姿勢、跪いている→立っている姿勢、立っている→跪いている姿勢、跪いている→倒れている姿勢、どれでも1です。倒れている→立っている姿勢、立っている→倒れている姿勢の場合は2です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

ひき起こす

相手の現在の姿勢を別の姿勢に変えます。
自分が立っていて、倒れているか跪いている姿勢の相手に組みついて、相手を立っている姿勢にするように(倒れている相手なら跪いている姿勢にすることも可能)ひき起こす行動です。
ひき起こすには<プロレス>各技能レベル-2のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして成功判定を行ないます。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手をひき起こすことができ、組んだ体勢のまま相手の姿勢を変更できます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。倒れている姿勢から立っている姿勢に変更するには消費ポイントが2必要ですが、消費ポイントが1しかない場合は跪いている姿勢までしか変更できません。

この「ひき起こす」は、倒れているか跪いている姿勢の相手が立ち上がるまで待つ(相手が倒れているなら跪いている姿勢になるまで待つことも可能)行動も含まれます。これは自分と相手が離れている場合に選択できます。相手が抵抗する場合は便宜上「ひき起こす」と同じ判定を行ないます。直接相手に組みついてひき起こす動作ではありませんが、この行動にも体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に負けた(引き分けも含む)場合は相手と離れた体勢のままで、この場合、そのターンの行動は終了しません。

消費する準備ポイントは倒れている→跪いている姿勢、跪いている→立っている姿勢、どれでも1です。倒れている→立っている姿勢の場合は2です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

組みついたまま移動

相手に組みついた体勢のまま移動します。
自分も相手も立っている姿勢の場合は、移動力は1/2(端数切り捨て)になります。移動させるだけでなく、相手をコーナーや物、トップロープにもたれかかって立っている体勢にさせることができます。自分が立っていて相手が跪いているか倒れている姿勢の場合は、相手を引きずって移動するための移動力は1/3(端数切り捨て)になります。移動させるだけでなく、相手をサードロープ(相手が跪いている体勢ならばセカンドロープ) にもたれかけさせる、相手の身体の一部をエプロンサイドに出すことができます。高低差がある場所や遮蔽物を越えての組みついたままの移動はできません。
自分が場外にいて、相手が場内のロープ際またはエプロンサイドで倒れている姿勢の場合は、相手に組みついて場外に引きずり落とすことができます。相手は場外で倒れている姿勢になります。この場合、相手は高い位置からの転落による自爆ダメージを受けません。
組みつかれた相手は移動されるのを抵抗することができます。相手が抵抗する場合、<プロレス>各技能レベル-3のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。自分が判定に勝てば組みついた体勢のまま移動されます。自分が負けた(引き分けも含む)場合は移動できず組んだ状態のまま、そのターンの行動が終了します。

関節技をかけている体勢での移動も可能です。
関節技をかけている体勢での移動は自分が立っている姿勢でなければなりません。相手がどの姿勢であっても1ターンにつき1mのみ移動ができます。組みつかれたままの移動の場合と同じ要領で、関節技をかけられている体勢で移動されるのを抵抗することができます。直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして成功判定を行ないます。
関節技をかけている体勢での移動を行なった(成功や失敗に関わらず)ターンでは、関節技をかけられている側の関節技を外す判定の「ふりほどき」、「技で反撃」に+2のボーナスがつきます。

消費する準備ポイントは立っている姿勢の相手を移動、関節技をかけている体勢での移動ともに2です。跪いている姿勢の相手を移動、倒れている姿勢の相手を移動の場合は3です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

エプロンサイドへ投げ入れる

ロープに振る要領で相手をリング内からロープ越しにエプロンサイドへ投げ入れます。
自分と相手が立っていて組みついている体勢でなければなりません。判定は自分の体力-2か<プロレス>各技能レベル-2のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行なわなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手をロープ越しのエプロンサイドに投げ入れる(またはテーブル上に寝かせる)ことができます。相手の転倒や自爆ダメージはありません。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは3です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「ロープに振る」「フォール」「コーナーに乗せる」「逆さに立てかけさせる」「凶器を奪う」の準備行動はできません。

フォール

倒れている相手の両肩をマットにつけてフォールの体勢にもっていきます。
自分は立っている、跪いている、倒れているのいずれかの姿勢で離れている体勢からフォールができます。必須フォール技(備考に「必フ」があるプロレス技)のプロレス技が成功した場合は、その技がかかった体勢のままフォールとなります。選択フォール技(備考に「選フ」があるプロレス技)が成功した場合は、任意で技がかかった体勢のままフォールすることができます。イニシアチブを持っていない後攻は必須フォール技・選択フォール技の成功でのみフォールをすることができます。フォールする成功判定は必要ありません。
フォールされた相手はフォールを返すためには、生命力で成功判定を行ないます。もし、直前にダメージを受けている場合は、そのダメージ分をペナルティとして成功判定を行ないます。判定に成功すれば、フォールを返すことができ、両者倒れている姿勢でターンが終了し、残りの準備ポイントを引き継いで次のターンに移ります。判定に失敗したら、フォール負けにより試合が終了します。試合ルールによってはフォールによる勝利がないものもあります。

準備行動「フォール」を使用した場合の流れは下記の通りです。

先攻の順、先攻が攻撃によって後攻の転倒に成功

後攻の順、後攻の行動後も倒れている姿勢のまま

(次ターン)

先攻の順、先攻が準備行動「フォール」を選択

後攻が(前ターンに受けたダメージ分をペナルティとして)フォールを返す判定、判定に成功して先攻後攻とも倒れている姿勢をとる(判定に失敗したら後攻のフォール負け)

(先攻は残りの準備ポイントを引き継いで次ターン)

先攻の順、先攻が必須フォール技を成功、もしくは選択フォール技を成功させて「フォール」を選択

後攻が(直前に受けたダメージ分をペナルティとして)フォールを返す判定、判定に成功して先攻後攻とも倒れている姿勢をとる(判定に失敗したら後攻のフォール負け)

(先攻は残りの準備ポイントを引き継いで次ターン)

先攻の順、先攻の行動終了

後攻の順、後攻が(技を仕掛けることができる姿勢、体勢の場合)必須フォール技を成功、もしくは選択フォール技を成功させて「フォール」を選択

先攻が(直前に受けたダメージ分をペナルティとして)フォールを返す判定、判定に成功して先攻後攻とも倒れている姿勢をとる(判定に失敗したら先攻のフォール負け)

(イニシアチブは後攻に移り、次ターン)

消費する準備ポイントは跪いている姿勢からフォール、倒れている姿勢からフォール、どれでも1です。立っている姿勢からフォールの場合は2です。技がかかった体勢のままフォールの場合は0です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「ロープに振る」「エプロンサイドへ投げ入れる」「コーナーに乗せる」「逆さに立てかけさせる」「凶器を奪う」の準備行動はできません。

登る

コーナーポストなどの高い場所に登る行動です。
コーナーポストに登って、コーナーポスト上から飛んで攻撃する、もしくはコーナーポストに登ってコーナーポスト上にいる相手に攻撃することができます。
自分が立っている姿勢で離れている体勢のとき、この行動が選択できます。コーナーポストに登るためには、敏捷力か<登攀>+5のどちらか高い方で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すれば、コーナーポストに登ることができます。判定に失敗したら、不自然な体勢で乗ってしまったことになり、コーナーポスト上で、そのターンの行動が終了します。コーナーポスト上から降りる場合も、同様の成功判定を行ないます。判定に成功すれば降りることができ、判定に失敗したらコーナーポストを降りれずにターンの行動が終了します。

上記の行動はコーナーポスト最上段のトップロープまで登ることを想定していますが、セカンドロープやサードロープまで登ることも可能です。この場合やテーブルの上に乗る場合、敏捷力+4か<登攀>+8のどちらか高い方で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すればセカンドロープやサードロープまで登ることができます。判定に失敗したらセカンドロープやサードロープ上でターンの行動が終了します。

プロレスの試合形式によっては金網や折りたたみ梯子(ラダー)に登る場合があります。
梯子を上るには成功判定は必要ありませんが1ターンで1m登ることができます。金網を登るには<登攀>+5の成功判定を行ないます。判定に成功すれば1ターンで1m登ることができ、失敗したら登れずにその場でターンの行動が終了します。
いずれの場合も、ファンブルで失敗した場合は、コーナーポスト(金網やラダー)から落下したことになり、自爆ダメージを受けてターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは、セカンドロープの高さからトップロープの高さまで登る場合は1、リングからセカンドロープの高さまで、テーブルの上に乗る、ラダーを1m登る場合は2、金網を1m登る場合は3です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「飛び乗る」「ロープを飛び越える」の準備行動はできません。

飛び乗る

高い位置から攻撃するために、ロープやコーナーポストなどの高い場所に飛び乗る行動です。
場内リングからセカンドロープやトップロープに飛び乗ったら、すぐに飛び降りて攻撃や着地しなければなりません。コーナーポストに飛び乗った場合はすぐに飛び降りなくても構いません。またエプロンサイドからトップロープ上に飛び乗る行動は「スワンダイブ」と呼ばれ、エプロンサイドからリング上へ、またはリング内から場外へ飛び降りて攻撃をすることができます。
自分が立っている姿勢で離れている体勢(走っている体勢でも可能)のとき、この行動が選択できます。飛び乗るには、敏捷力-4か<軽業>のどちらか高い方(セカンドロープの高さまでの場合は敏捷力か<軽業>+4のどちらか高い方)で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すれば、飛び乗ったことになり、その後のプロレス技の成功判定に移ります。判定に失敗すれば、ロープやコーナーポストに飛び乗れず転倒して、自爆ダメージを受けてターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは、リングからセカンドロープの高さまで飛び登る場合は2、リングからトップロープの高さまで飛び乗る場合は3です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「登る」「ロープを飛び越える」の準備行動はできません。

ロープを飛び越える

ロープ越しにいる相手を攻撃するために、ロープを飛び越える行動です。
トップロープを飛び越えてリング上から場外へ、またはエプロンサイドからリング上への攻撃、もしくは飛んでロープの間をすり抜けることでリング上から場外への攻撃をすることができます。例えば、トップロープを飛び越えて場外の相手に打撃技のフライングボディアタックを仕掛けることで「プランチャ・スイシーダ」ができます。リング内から助走をつけて場外の相手にトペ・スイシーダ(打撃技)を仕掛けるためにはロープの間をすり抜けて場外へ飛ぶ必要があります。
自分が立っている姿勢で離れている体勢(走っている体勢でも可能)のとき、この行動が選択できます。ロープを飛び越えるには、敏捷力か<跳躍>のどちらか高い方で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すれば、ロープを飛び越えたことになり、その後のプロレス技の成功判定に移ります。判定に失敗すれば、ロープを飛び越えられず転倒して、自爆ダメージを受けてターンの行動が終了します。

ロープを飛び越えるだけで攻撃をしないことも可能です。この場合も敏捷力か<跳躍>のどちらか高い方で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すればロープを飛び越えたことになり、判定に失敗したらロープを飛び越えられず転倒して自爆ダメージを受けてターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは2です。イニシアチブのない選手の順番のとき立っている姿勢で自由に動ける状態だった場合は準備ポイントを消費せずこの準備行動が可能です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「登る」「飛び乗る」の準備行動はできません。

コーナーに乗せる

自分と相手が立っていて組みついている体勢なら、相手をコーナーポスト上などの高い場所に乗せることができます。
自分の肩までの高さの場所まで乗せることができます。相手を高い場所に乗せるには、自分の体力-6か<プロレス>各技能レベル-6のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手を高い場所に乗せることができ、任意で相手を立っているか伏せている(倒れている)体勢にすることができます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは3です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「ロープに振る」「エプロンサイドへ投げ入れる」「フォール」「逆さに立てかけさせる」「凶器を奪う」の準備行動はできません。

逆さに立てかけさせる

自分と相手が立っていて組みついている体勢なら、コーナーポストや物に相手を逆さにして立てかけさせることができます。
相手を逆さに立てかけさせるには、自分の体力-6か<プロレス>各技能のうちの最も高い数値のもの-6と相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手を逆さに立てかけさせることができます。相手は立っている姿勢ですが、逆さに吊られている状態なのでかなりの行動制限を受けます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

相手の両腕にセカンドロープとトップロープを絡めることもできます。
絡めるには、自分の体力か<プロレス>各技能レベル-6のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。判定に勝てば相手の両腕にセカンドロープとトップロープを絡めることができます。相手は立っている姿勢ですが、ロープで絡まっている状態なのでかなりの行動制限を受けます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは3です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「ロープに振る」「エプロンサイドへ投げ入れる」「フォール」「コーナーに乗せる」「凶器を奪う」の準備行動はできません。

凶器準備

凶器を使用できるように準備する行動です。
凶器を隠し持っている場合は判定なしに準備することができます。ただし、凶器の使用は通常のプロレスルールでは反則裁定の対象になるため、レフェリーに凶器が見つからないようにしなければなりません。凶器は隠し持っている他にも、セコンドに預けるかリング下に隠しておくなどの方法があります。凶器には毒霧や火炎放射のタネも含まれます。凶器を持参する場合は、試合前にGMに告げておく必要があります。

消費する準備ポイントは、手に収まる小さな物を受け取る、落ちている凶器を拾う場合は2、隠している凶器を取り出す、片手で持てる物を受け取る場合は3、場外本部席にあるゴングを取り出す場合は4、両手で持つ大きな物を受け取る場合は5、隠している毒霧や火炎放射のタネを取り出す、場外観客席にあるパイプ椅子やリング下にあるテーブルやラダーを取り出す場合は6です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

設置

パイプ椅子やテーブル、ラダーの設置をする行動です。
スペースが確保できていれば、折りたたまれたパイプ椅子、テーブル、ラダーを組み立てて任意の場所に設置することができます。また場外リングサイドに敷かれているマットを1枚はがす行為も、この準備行動に含まれます。
これらの行動の成功判定は必要ありませんが、通常のプロレスルールでは反則裁定の対象になります。

消費する準備ポイントは、パイプ椅子の設置は3、ラダーやテーブルの設置は5、場外のマットを1枚はがす場合は6です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

凶器を奪う

相手が持っている凶器を奪い取る行動です。
相手の凶器を掴んでいる(相手の凶器に「組んでいる」体勢、または凶器攻撃に対する「受け」が成功して倒れなかった体勢)状態でなければ、凶器を奪う行動を選択できません。
凶器を奪うには自分の体力と相手の体力とで即決勝負を行わなければなりません。判定に勝てば凶器を奪ったことになり、凶器を持って相手と離れた体勢になります。負けた(引き分けも含む)場合は相手の凶器を奪うことができずに相手と離れた体勢でそのターンの行動が終了します。

消費する準備ポイントは、手に収まる小さな物を奪う場合は3、片手で持てる物を奪う場合は5、両手で持つ大きな物を奪う場合は6です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。この準備行動を選択したターンでは、「ロープに振る」「エプロンサイドへ投げ入れる」「フォール」「コーナーに乗せる」「逆さに立てかけさせる」の準備行動はできません。

攻撃

ここで言う攻撃は、プロレス技、もしくは場外に落とすなど、相手の頭部・胴体・腕部・脚部のうちどれか一箇所のスタミナポイントに"ダメージを与える"行動です。ダメージを与えませんがフェイントもこれに含まれます。
1ターン内に1人に対して1回しか攻撃はできません。攻撃の代わりに準備行動を1つだけ、準備ポイントを消費しないで使うことができます。「GURPS ベーシック」の武器無しの戦闘、命中部位、部位を狙う場合の命中修正、近接戦闘、特殊な状況は「GURPS プロレスリング」におけるプロレスの試合では採用しません。

また、攻撃を行なう代わりに準備行動をひとつだけ行なうことができます。攻撃の代わりに行なう準備行動は準備ポイントを消費する必要はありません。攻撃の代わりに準備行動を行なった場合は攻撃を行なうことができません。

攻撃には「打撃技」「投げ技」「関節技」があり、攻撃の代わりに「関節技を外す」「場外に落とす」「フェイント」が行なえます。プロレス技は打撃技、投げ技、関節技によって攻撃の方法が違います。

攻撃行動判定表
行動 判定 備考
プロレス技で攻撃 「使うプロレス技のレベル」で判定
<プロレス>以外の<素手戦闘技能/スポーツ>での攻撃 「<素手戦闘技能(<格闘><空手><柔道><相撲><ボクシング><レスリング>)/スポーツ>」で判定 格闘技、空手技、柔道技、相撲技、ボクシング技、レスリング技で可能
凶器攻撃 凶器によって使う技能が変化する(凶器表参照) 反則裁定の対象
加減抜き攻撃 <プロレス>以外の「素手戦闘技能(<格闘><空手><柔道><相撲><ボクシング><レスリング>)」で判定 格闘技、空手技、柔道技、相撲技、ボクシング技、レスリング技で可能
金的攻撃 命中判定は「プロレス技-4」、即決勝負は「プロレス技-6」 備考に「金的」があるプロレス技で可能、加減抜き攻撃との併用不可
転倒判定 「生命力-直前ダメージ分」で成功判定
高い位置にいる相手に攻撃 後述「高い位置にいる相手に攻撃」参照
テイクダウン 「プロレス技-3」で即決勝負 投げ技で可能
関節技を外す
          ロープへにじりよる 「敏捷力」か「体力」、もしくは「<柔道/スポーツ>」、「<柔道>」の高い方で成功判定 成功すれば1mロープに近づけられる
          ふりほどく 自分の「体力」と相手の「関節技」で即決勝負
          技で反撃 命中判定は「プロレス技-直前ダメージ分」、即決勝負は「プロレス技-直前ダメージ分」と相手の「関節技」 関節技をかけている側の転倒判定に失敗すると外れる
場外に落とす
          ロープを振る要領で落とす 自分の「体力-4」か「<プロレス>各技能レベル-4」のうちの最も高い数値のものと相手の「体力」とで即決勝負
          トップロープを引き下げて落とす 「敏捷力-4」か「<プロレス>各技能レベル-4」のうちの最も高い数値のもので成功判定 自分がロープにもたれかかっているかロープ際にいて立っているか跪いている姿勢、相手は自分に向かって走っている体勢で可能
          プロレス技で落とす 「打撃技-4」または「投げ技-6」 備考に「外出」があるプロレス技で可能
          プロレス技でエプロンサイドにいる相手を場外に落とす 「打撃技-3」または「投げ技-4」
          場外に落とされた際の自爆ダメージをなくす 「敏捷力-4」か「<軽業>」のどちらか高い方で成功判定(「体重」の空中殺法修正)
交互に攻撃 後述「交互に攻撃」参照
フェイント 「攻撃に使った技能のレベル」と相手は「素手戦闘技能」か「敏捷力」のうちどちらか高い方で即決勝負 白兵武器を持っていれば「白兵武器技能」、クロークを持っていれば「<クローク>」、盾を持っていれば「<盾>」も含む

打撃技

打撃技は以下の順で成功判定を行ないます。

攻撃側が使うプロレス技、命中箇所、防御側と離れていて組んでも使えるプロレス技の場合は技の直前に組みつくかどうかを指定する。
組みつきに対して、防御側は能動防御「よけ」を行うことができ、成功したら組みつきが失敗し、攻撃側は行動終了。

攻撃側がそのプロレス技で使用する技能レベルに技の命中修正を加えて命中判定を行う。
備考に「空殺」がついている打撃技は、「体重」による空中殺法修正が命中修正に適用される。

攻撃側の命中判定が成功したら、防御側は可能な能動防御(「よけ」「受け」)を行う。
攻撃側の命中判定が失敗したら、そのプロレス技の技後姿勢(自)の姿勢で行動終了。

防御側が「よけ」に成功したら、攻撃側はそのプロレス技の技後姿勢(自)の姿勢で行動終了。
防御側が能動防御に失敗した、または「受け」に成功したら、攻撃側はそのプロレス技で使用した技能の致傷力(「突き」ダメージに技能の攻撃ダメージボーナスを加えた値)にプロレス技の威力修正を加えてダメージを算出。

防御側はそのダメージから防護点を引いた値の分、命中箇所のスタミナポイントを減らす。防御側の「受け」が成功している場合、攻撃側、防御側共にプロレス技の技後姿勢を取って、攻撃側の行動終了。
プロレス技の技後姿勢(敵)が「チェック」の場合、防御側は転倒判定を行なう。

転倒判定

技後姿勢(敵)が「チェック」のプロレス技を受けた防御側は転倒判定を行います。転倒判定は生命力からダメージを減らしたものを目標値とします。

転倒判定に成功したら、転倒せず、姿勢はそのままです。ただし、このターンのみ肉体的な朦朧状態になります。
朦朧状態の間、移動や攻撃などの行動をとることができません。イニシアチブのない選手の順番に入る前に生命力判定を行ないます。この判定には朦朧状態によるペナルティ-4はつきません。生命力判定に成功すればイニシアチブのない選手は朦朧状態から回復し、移動や行動、攻撃が可能になります。失敗すると、朦朧状態から回復せずに行動終了となります。次のターン開始時にはこの朦朧状態は回復します。イニシアチブのない選手の順番で相手が攻撃を受けて転倒判定に成功しても一時的に朦朧状態になることはありません。

転倒判定に失敗したら、転倒したことになり、姿勢は倒れている(伏せている)姿勢になります。通常は倒れている姿勢ですが、攻撃側の任意で跪いている(膝立ち、座っている)姿勢、付近にロープやコーナーポストなどの遮蔽物がある場合は遮蔽物にもたれかかって立っている姿勢または跪いている姿勢が(既に跪いている姿勢ならば倒れている姿勢のみ、遮蔽物にもたれかかって立っている姿勢ならば跪いているか倒れている姿勢が)選択できます。攻撃側の技が場外に落とす(後述)技だった場合は場外に転落して倒れている姿勢になります。
転倒判定の目標値と同じ目が出たら、転倒はしませんが跪いている姿勢か遮蔽物にもたれかかって立っている姿勢のどちらか(既に跪いている姿勢ならば倒れている姿勢)になります。
プロレス技のダメージの他に、「体重」の自爆ダメージ分が転倒ダメージとして胴体のスタミナポイントを減らします。倒れた場所が画鋲やガラスの破片の上、有刺鉄線ボードや剣山ボードの上だった場合は凶器表の「リング内以外の床に投げ技」にあるプラス分のダメージが転倒ダメージとして加わります。

プロレス技を受けた防御側がすでに倒れている姿勢の場合は、この転倒判定を行なう必要はありません。

投げ技

投げ技は以下の順で成功判定を行ないます。

投げ技は以下の順で成功判定を行ないます。

攻撃技が使うプロレス技、命中箇所を指定する。

組みついていない体勢の場合は、防御側は能動防御「よけ」を行い、成功したら組みつきが失敗し、攻撃側は行動終了。
備考に「空殺」がついている投げ技は、「体重」による空中殺法修正(のマイナス数値)が「組みつき」に対する「よけ」に適用される。
組みついている体勢の場合、または組みつきに対する「よけ」を行なわなかったか「よけ」が失敗したら、防御側と組みついている体勢になる。

攻撃側はそのプロレス技で使用する技能レベルに技の命中修正を加えたもの、防御側は体力で即決勝負を行う。
攻撃側が勝ったらプロレス技が成功。防御側が勝った(引き分けも含む)ら、組みついている体勢のまま、攻撃側の行動終了。

攻撃側のプロレス技で使用した技能の致傷力(「突き」ダメージに技能の攻撃ダメージボーナスを加えた値)にプロレス技の威力修正を加えてダメージを算出。
防御側はそのダメージから防護点を引いた値の分、命中箇所のスタミナポイントを減らす。
攻撃側、防御側共にプロレス技の技後姿勢を取って離れた体勢(技をかけた状態のままフォールする場合は組んでいる状態)となり、攻撃側の行動終了。

高い位置にいる相手に攻撃

コーナーポスト上などの高い位置から飛び降りてからの相手の攻撃、または組みつきに対して能動防御「よけ」が成功した場合、次の順番が回ってきたら任意で相手を「飛び降りた後」「飛び降りている途中」のどれかの体勢を選択できます。相手がいた高い位置がコーナーポスト上かエプロンサイドなどの立ち続けられる場所だったときは「飛び降りる前のまま」も選択できます。
相手の体勢を「飛び降りた後」で選択した場合、相手の仕掛けたプロレス技の技後姿勢(自)が「−」以外なら、打撃技の場合は技後姿勢(自)、投げ技か関節技の場合は転倒して自爆ダメージを受けます。
相手の体勢を「飛び降りている途中」で選択した場合、その相手を攻撃すると飛び降りているところを迎撃することになり、自分に向かって走っている体勢と同じ状況になります。
相手の体勢を「飛び降りる前のまま」で選択した場合、相手は飛び降りる前の場所で立っている姿勢になります。

高い位置にいる(低い位置にいる)相手に対する命中修正はありません。能動防御の修正に関しては「体勢による防御ペナルティ」を参照してください。
高い位置にいる相手は命中箇所が上にずれることになります。セカンドロープの高さにいる場合は頭部は胴体、胴体は脚部にずれます。トップロープの高さにある場合は頭部は脚部にずれます。高い位置にいる相手に打撃技を成功させて相手を転倒させた場合、相手がコーナーポスト上にいたらリング内に転落して、自爆ダメージには高低差のダメージが加わります。エプロンサイド上にいる場合はエプロンサイド上で転倒します。高い位置にいる相手に対して場外に落とす攻撃をする場合は後述「場外に落とす」を参照してください。
コーナーポスト上にいる相手に対して、自分が準備行動「登る」か「飛び乗る」でコーナーポストに登って組みつき、投げ技を仕掛けることができます。この攻撃は「雪崩式」と呼ばれます。コーナーポストからリング内に投げられると、技ダメージにダメージボーナス(「体勢によるダメージボーナス」参照)が加わります。

テイクダウン

通常、投げ技を行なった後は、技を仕掛けた側、仕掛けられた側とも技後姿勢になって離れた体勢になりますが、投げ技を行なった後、組んだままの体勢で技後姿勢をとることができます。
これによって投げ技をした後に組んだままの体勢で次のターンに投げ技や関節技・打撃技へ移行することができます。技後姿勢が倒れている(または跪いている)姿勢の場合は、次のターンの準備行動で相手に組みついたまま、相手をひき起こす、または自分が立ち上がることができます。ただし、技後姿勢で組んでいるままの体勢だと不自然になる投げ技(GM判断で構いません)の場合、組んだままの体勢にすることはできません。GMが許可すれば、一部の打撃技でも、この「テイクダウン」を行なうことができます。
技を仕掛けた後に組んだままの体勢になる投げ技を行なう場合、即決勝負の判定に-3のペナルティがつきます。このペナルティは得意技ではない技の使用などの他のペナルティと累計されます。投げ技を行なった体勢のままフォールする場合は、組んだままの体勢になっているので、-3ペナルティをつける必要はありませんが、フォールが返された後もそのまま組んだままの体勢で(または選択フォールの技を行なってフォールせずに組んだままの体勢で)「テイクダウン」を行なおうとする場合は-3ペナルティをつけなければなりません。

関節技

関節技の成功判定は投げ技と同じです。

攻撃技が使うプロレス技、命中箇所を指定する。

組みついていない体勢の場合は、防御側は能動防御「よけ」を行い、成功したら組みつきが失敗し、攻撃側は行動終了。
備考に「空殺」がついている関節技は、「体重」による空中殺法修正(のマイナス数値)が「組みつき」に対する「よけ」に適用される。
組みついている体勢の場合、または組みつきに対する「よけ」を行なわなかったか「よけ」が失敗したら、防御側と組みついている体勢になる。

攻撃側はそのプロレス技で使用する技能レベルに技の命中修正を加えたもの、防御側は体力で即決勝負を行う。
攻撃側が勝ったらプロレス技が成功。防御側が勝った(引き分けも含む)ら、組みついている体勢のまま、攻撃側の行動終了。

攻撃側のプロレス技で使用した技能の致傷力(「突き」ダメージに技能の攻撃ダメージボーナスを加えた値)にプロレス技の威力修正を加えてダメージを算出。
防御側はそのダメージから防護点を引いた値の分、命中箇所のスタミナポイントを減らす。

判定に成功した攻撃側は、組んでいる状態のまま関節技をかけている体勢になります。関節技をかけている場所がリング中央の場合は、GMが1Dの1/2(端数切り上げ)でロープまでの距離(m)を決定します。

関節技をかけているキャラクターは、次のターン以降、その関節技をかけている限り、関節技をかけ続ける、他のプロレス技に変更のどちらかを選択できます。関節技を自ら外す行動は準備行動に含まれます。
関節技をかけ続ける場合、成功判定は必要ありません。関節技のダメージを決定します。他のプロレス技に変更する場合、現在の姿勢で組んでいる状態から、そのプロレス技の成功判定を行なう必要があります。

関節技を外す

関節技をかけられているキャラクターは「ロープへにじりよる」「ふりほどく」「技で反撃」のうちのどれか1つの方法で関節技を外すことができます。その関節技の威力修正に(防御-1)がついている場合は、「ふりほどく」「技で反撃」判定に-1のペナルティがつきます。

ロープへにじりよる

関節技をかけられた体勢のまま移動してロープに近づきます。
通常のプロレスの試合では、組まれていたりプロレス技をかけられているときに、手足にロープが触れるか、身体の一部がエプロンサイドに出た場合、技を解除して両者離れなければならない「ロープブレイク」というルールがあります。
敏捷力か体力、もしくは<柔道/スポーツ>、<柔道>の高い方で成功判定を行ない、成功したら1mだけロープに近づくことができます。ロープまでたどり着いたら、レフェリーからロープブレイクが宣告され、関節技を外す必要があります。この成功判定には姿勢や体勢によるペナルティはつきません。ロープブレイクの警告無視は反則裁定の対象になります。通常のプロレスの試合ではレフェリーが5カウント数える間に関節技を外さなければなりません。ロープブレイクに従い関節技を外すと、自分と相手の姿勢はそのままで離れた状態になります。

この行動は、関節技をかけられた体勢だけでなく、組まれている体勢でも、ロープへにじりよることによるロープブレイクを試みることができます。組まれている体勢で「ロープへにじりよる」を選択した場合、場所がリング中央ならば、GMは1Dの1/2(端数切り上げ)でロープまでの距離(m)を決定し、「ロープへにじりよる」判定を行ないます。関節技にかけられている場合と同様、ロープまでたどり着いたら、レフェリーからロープブレイクが宣言されます。

ふりほどく

関節技を強引にふりほどきます。
準備行動の組まれている体勢からの「ふりほどく」に似ていますが、関節技をふりほどく判定の場合は、自分の体力と相手が仕掛けている関節技の技能レベルから命中修正を引いたものとで即決勝負を行ないます。判定に勝てばふりほどいたことになり、両者関節技の技後姿勢になり相手と離れた体勢になります。負けた(引き分けも含む)場合は相手に関節技をかけられたまま、そのターンの行動が終了します。

技で反撃

関節技をかけられた体勢のままプロレス技で攻撃することで関節技を外します。
現在の自分の姿勢で組まれていても仕掛けられるプロレス技のみ使用できます。成功判定(命中判定にしても即決勝負にしても)には直前に受けたダメージ分のペナルティがつきます。命中判定なら関節技をかけている側は能動防御を行ないます。即決勝負なら関節技をかけている側は仕掛けている関節技の技能レベルから命中修正を引いたものとで即決勝負を行ないます。
技が成功してダメージを算出した後、関節技をかけている側は反撃したプロレス技の技後姿勢(敵)が何であっても転倒判定を行ないます。転倒判定に成功したら、技に耐えたことになり関節技をかけたままで、反撃した側の行動が終了します。転倒判定に失敗したら、関節技が外れたことになり、両者関節技の技後姿勢になり相手と離れた体勢になります。

場外に落とす

相手をリングから場外に落とします。
相手を場外に落とす方法は、ロープを振る要領で振って落とす、トップロープを引き下げて落とす、プロレス技で落とす、以上3通りあります。

プロレス技の代わりにロープを振る要領で振って場外に落とすことができます。
ロープを振る要領で落とすには、自分と相手が立っていて組みついている体勢でなければなりません。判定は自分の体力-4か<プロレス>各技能レベル-4のうちの最も高い数値のものと相手の体力とで即決勝負を行なわなければなりません。体重の重い方に「体重」の持ち上げ技防御修正がつきます。判定に勝てば相手を場外に振って落とすことができます。場外に投げ落とされた相手は転倒して自爆ダメージ(リング内から場外リングサイドに落とされるダメージ+1と、場外マットに落とされるダメージ+1またはマットがない場外に落とされるダメージ+2が追加されます)を受けます。負けた(引き分けも含む)場合は相手と組みついた体勢のまま、そのターンの行動が終了します。

ロープ際にいる自分に向かって助走をつけている相手に対して、トップロープを引き下げることでそのまま相手をトップロープ越しに場外に落とすことができます。
トップロープを引き下げて落とすには、自分がロープにもたれかかっているかロープ際にいて立っているか跪いている姿勢、相手は自分に向かって走っている体勢でなければなりません。判定は敏捷力-4か<プロレス>各技能レベル-4のうちの最も高い数値のものを基準値とした成功判定を行ないます。成功したらタイミング良くトップロープを引き下げて相手を場外に落とすことができます。場外に投げ落とされた相手は転倒して自爆ダメージ(リング内から場外リングサイドに落とされるダメージ+1と、場外マットに落とされるダメージ+1またはマットがない場外に落とされるダメージ+2が追加されます)を受けます。これに対する防御は「よけ」るしかありません。

自分と相手が場内にいるときに、プロレス技で場外に落とすことができます。
備考に「外出」があるプロレス技が場外に落とす攻撃に使用できます。ただし、自分が立っている体勢でなければなりません。この場合、打撃技の場合は-4、投げ技の場合は-6のペナルティがつきます。自分の仕掛けたプロレス技が成功して転倒させることができれば、相手を場外に落とすことができます。場外に落とされた相手は転倒してプロレス技のダメージの他にリング内から場外リングサイドに落とされるダメージ+1と、場外マットに落とされるダメージ+1またはマットがない場外に落とされるダメージ+2を受けます。プロレス技が失敗した場合、またはプロレス技が成功しても転倒しなかった場合は場外に落とすことができません。
また、自分が場内にいるときに、プロレス技でエプロンサイドにいる相手を場外に落とすこともできます。
ロープ越しの相手の顔部や胴体を攻撃できる打撃技、またはロープ越しの相手を投げることができる投げ技が場外に落とす攻撃に使用でき、自分が立っている体勢でなければなりません。この場合、打撃技の場合は-3、投げ技の場合は-4のペナルティがつきます。自分の仕掛けたプロレス技が成功して転倒させることができれば、相手を場外に落とすことができます。場外に落とされた相手は転倒してプロレス技のダメージの他にリング内から場外リングサイドに落とされるダメージ+1と、場外マットに落とされるダメージ+1またはマットがない場外に落とされるダメージ+2を受けます。プロレス技が失敗した場合、またはプロレス技が成功しても転倒しなかった場合は場外に落とすことができません。

これら方法で場外に落とされた相手は敏捷力-4か<軽業>のどちらか高い方で成功判定を行います。「体重」による空中殺法修正が適用されます。判定に成功すれば上手く場外に転がり落ちたことになり、自爆ダメージはなくなり(プロレス技で落とされた場合はプロレス技のダメージはなくなりません)、場外で倒れている姿勢になります。

自分がエプロンサイドにいて相手が場内にいる、もしくは自分も相手もエプロンサイドにいる状態で、投げ技で相手を場外に投げ落とす場合、「雪崩式」の場合と同様、投げ技の即決勝負にペナルティはつきません。

自分が場内にいて、相手が場内のロープ際もしくはエプロンサイドで倒れているときに、備考に「外出」がある打撃技で相手を場外に落とすことができます。
当然、倒れている姿勢の相手に攻撃できる打撃技でなければなりません。この場合、打撃技に-2のペナルティがつきます。自分の仕掛けた打撃技が成功すれば相手を場外に落とすことができます。場外に落とされた相手は自爆ダメージは受けず(プロレス技のダメージは受けます)、場外で転倒している姿勢になります。プロレス技が失敗した場合は場外に落とすことができません。

フェイント

攻撃をするふりを行なうことで、次の攻撃を当たりやすくします。
フェイントをかけるために、敵をひとり選びます。フェイントをかける側は攻撃に使った技能のレベル、敵は素手戦闘技能、敏捷力(白兵武器を持っていれば白兵武器技能、クロークを持っていれば<クローク>、盾を持っていれば<盾>)のうちどちらか高い方で即決勝負を行ないます。
フェイントをかける側が勝った場合、次のターンで敵に攻撃する際に、先ほどの即決勝負での成功度の差が、敵の能動防御か技を防御するための即決勝負のペナルティとなります。フェイントを行なった本人がフェイントをかけた敵にしかこの効果はありません。フェイントの効果は次の攻撃のみ有効です。フェイントをかける側が負けた、または引き分けた場合はフェイントは失敗です。
フェイントが成功しても失敗しても、フェイントが終了した時点で行動終了です。全力攻撃(フェイント即攻撃)をすれば1ターンでフェイントをかけて(成功失敗に関わらず)から攻撃が可能です。もしフェイントが成功して次のターンに全力攻撃(2回攻撃)を選択した場合、フェイントの効果は2回とも適用します。

体勢による防御ペナルティ

「GURPS プロレスリング」におけるプロレスの試合では姿勢(「立っている」「座っている」など)によって攻撃に修正はつきませんが、姿勢によって能動防御にペナルティがつく場合があります。また、組んでいる、走っているなどの体勢によって能動防御にペナルティがつく場合があります。この能動防御は、攻撃による能動防御の他に「組みつき」に対する「よけ」も含まれます。即決勝負にはペナルティはつきません。下記「体勢ペナルティ表」を参照してください。
体勢ペナルティ表の「跪いている」はしゃがんでいるか膝立ちか座っている姿勢で、「倒れている」は這っているか伏せている姿勢です。「組んでいる」体勢には組まれている、関節技をかけている、またはかけられている体勢も含まれます。「走っている」体勢はロープに振られて反動で戻ってきている体勢も含まれます。
「GURPS ベーシック」の組みつかれている間、組みつく側は+3の修正を受けるルールは「GURPS プロレスリング」におけるプロレスの試合では採用しません。
姿勢や体勢による防御ペナルティは蓄積されず、例えば「コーナーポスト上にいる」体勢で「倒れている」姿勢、「逆さに立てかけられている」で「組んでいる」体勢などになった場合はペナルティの大きい方が採用されます(「コーナーポスト上にいる」で「組んでいる」体勢の場合はペナルティの大きい「コーナーポスト上にいる」ペナルティ-3が採用されます)。

体勢ペナルティ表
姿勢 能動防御
立っている 通常
跪いている -2
倒れている -3
体勢 能動防御
組んでいる -2
走っている -2
飛んでいる -3
もたれかかっている -2
コーナーポスト上にいる -3
逆さに立てかけられている -4
両腕(または両脚)がロープに絡まっている -4

体重によるペナルティやボーナス

特徴「体重」を持つ選手、または体重レベルに差がある選手に対して、技の命中修正や即決勝負、またはダメージに影響を及ぼします。

備考に「空殺」がある技は、空中殺法の技です。打撃技の場合は命中修正に「体重」による空中殺法修正(「体重影響表」参照)が適用されます。投げ技の場合は「組みつき」に対する相手の「よけ」に「体重」による空中殺法修正のマイナス数値が適用されます。例えば体重レベル2の選手が空中殺法の投げ技を試みた場合、空中殺法修正は-2なので、組みつきに対する相手の「よけ」に+2の修正がつきます。
備考に「持上」がある技は、相手を持ち上げる必要がある技です。この技の即決勝負の際に、相手の防御判定に「体重」による持ち上げ技防御修正(「体重差影響表」参照)が加えられます。防御する相手の体重が軽い場合は、相手の防御判定に修正はつきません。
備考に「敵重」がある技は、成功してダメージ算出する際に相手の「体重」による体重追加ダメージ(「体重差影響表」参照)が追加されます。技を受ける側の体重が重ければ重いほどダメージが増える技です。自分が相手よりも体重が25s重く、相手の「敵重」技が成功した場合、体重追加ダメージは+1なので、ダメージが+1追加されます。備考に「敵重」がある技を受ける側の体重の方が軽い場合、体重追加ダメージは0です。
備考に「自重」がある技は、成功してダメージ算出する際に自分の「体重」による体重追加ダメージ(「体重差影響表」参照)が追加されます。自らの体重を乗せてダメージを増やしていく技です。自分が相手よりも体重が25s重く、自分の「自重」技が成功した場合、体重追加ダメージは+1なので、ダメージが+1追加されます。備考欄に「自重」がある技で攻撃する側の体重の方が軽い場合、体重追加ダメージは0です。

体重によるペナルティやボーナス表
状況 修正
備考に「空殺」があるプロレス技で攻撃 命中修正に「体重」による空中殺法修正、または投げ技の組みつきに対する「よけ」に「体重」による空中殺法修正のマイナス数値
備考に「持上」があるプロレス技で攻撃 相手の防御判定(即決勝負)に「体重」による持ち上げ技防御修正、相手の体重の方が軽い場合は相手の防御判定(即決勝負)に「体重」による修正なし
備考に「敵重」があるプロレス技で攻撃 相手の「体重」による体重追加ダメージが追加、相手の体重の方が軽い場合は「体重」による修正なし
備考に「自重」があるプロレス技で攻撃 自分の「体重」による体重追加ダメージが追加、自分の体重の方が軽い場合は「体重」による修正なし

体勢によるダメージボーナス

助走をつけて自分が走っている体勢からの攻撃に成功した場合、技のダメージに+1のボーナスがつきます。

セカンドロープまでの高さ(セカンドロープからリング内、エプロンサイドから場外リングサイド)からの攻撃、またはトップロープを飛び越えてリング上への攻撃は技のダメージに+1、トップロープまでの高さ(トップロープからリング内、セカンドロープから場外リングサイド)からの攻撃、またはトップロープを飛び越えて場外リングサイドへの攻撃は技のダメージに+2、トップロープから場外リングサイドへの攻撃は技のダメージに+3のボーナスがつきます。これは高い位置にいる相手を技で落とすとき、飛び降りている途中の相手に攻撃するとき、高い位置から転落したときにも適用されます。
相手の両足がトップロープに乗っていてトップロープにいることなります。片方でも足がセカンドロープに乗っていればセカンドロープにいることなります。コーナーポスト上に座っている場合はセカンドロープにいると見なします。

「雪崩式」での攻撃は、セカンドロープの高さにいる相手をリング内に落とした、またはエプロンサイドから場外リングサイドに落とした場合は技のダメージに+1、コーナーポスト最上段の相手をリング内に落とした、またはセカンドロープの高さにいる相手を場外リングサイドに落とした場合は場合は技のダメージに+2、コーナーポスト最上段の相手を場外リングサイドに落とした場合は技のダメージに+3されます。技が自爆した(「自爆ダメージ」参照)場合もこのダメージが適用されます。

体勢による関節技のダメージボーナスは、技をかけた最初のみ有効で、継続して技をかけたダメージには体勢によるボーナスはつきません。
凶器や遮蔽物に相手を振って叩きつける攻撃、リング内以外の床に投げ技を仕掛けた場合のダメージボーナスは「凶器表」を参照してください。

体勢によるダメージボーナス表
体勢 修正
自分が走っている 技ダメージ+1
高い位置にいる相手を技で落とす、飛び降りている途中の相手に攻撃、高い位置から転落
          セカンドロープまでの高さからリング上への攻撃、トップロープを飛び越えてリング上への攻撃 技ダメージ+1
          トップロープまでの高さからリング上への攻撃、トップロープを飛び越えて場外リングサイドへの攻撃 技ダメージ+2
          トップロープから場外リングサイドへの攻撃 技ダメージ+3
雪崩式攻撃
          セカンドロープの高さにいる相手をリング内に落とす、エプロンサイドから場外リングサイドに落とす 技ダメージ+1
          コーナーポスト最上段の相手をリング内に落とす、セカンドロープの高さにいる相手を場外リングサイドに落とす 技ダメージ+2
          コーナーポスト最上段の相手を場外リングサイドに落とす 技ダメージ+3
自爆
          備考に「自爆」がついている技がよけられて転倒 技のダメージを自分の胴体(出した技によっては攻撃に使った身体の部分、頭部や腕部や脚部)のスタミナポイントに受ける(「体重」による自爆ダメージ、高い位置からによるダメージボーナス、凶器ダメージが追加)
          「飛び乗る」「ロープを飛び越える」などの準備行動に失敗して高い位置から転落 「突き」のダメージを自分の胴体のスタミナポイントに受ける(「体重」による自爆ダメージ、高い位置からによるダメージボーナス、凶器ダメージが追加)

自爆ダメージ

技が失敗したか技をよけられたり、または高い位置から転落したことにより、自爆ダメージを受けることがあります。
相手が自爆ダメージを受けた場合、相手に自爆ダメージを与えた「攻撃」と見なされます。従ってこのターンではこれ以上の攻撃や行動はできません。このターンで発生した自爆ダメージの分だけ準備ポイントが与えられます。

備考に「自爆」がついている技がよけられた場合に受ける自爆ダメージは、使用した技の一番低い技ランクのダメージを自分の胴体(出した技によっては攻撃に使った身体の部分、頭部や腕部や脚部)のスタミナポイントに受けます。
「飛び乗る」「ロープを飛び越える」などの準備行動に失敗して高い位置から転落した場合は「突き」のダメージを自分の胴体のスタミナポイントに受けます。これらの自爆ダメージには、さらに「体重」による自爆ダメージ(「体重影響表」参照)や高い位置からによるダメージボーナス(「体勢によるダメージボーナス」参照)も加えられます。
転落した場所がパイプ椅子の上や剣山ボードなどのリング内以外の床だった場合は「凶器表」によるダメージも受けます。この自爆ダメージは防護点によるダメージ減少が適応されます。

体力消費による効果

プロレスの試合では疲労点(FP)を消費することによって、以下の効果をあげることができます。疲労点(FP)が1以下の場合は、疲労点(FP)消費はできません。
●疲労点(FP)1点消費するごとに、自分の任意の箇所のスタミナポイントを3点回復させることができます。
ただし各箇所のスタミナポイントが0点以下になったときにしか、この効果は使用できません。スタミナポイントは必ず1点以上に維持しなくてはならず、もしスタミナポイントが0点以下になった場合は、1点以上になるまで疲労点(FP)を消費させなければなりません。
●疲労点(FP)1点消費することにより、フォールを返す判定に無条件で成功することができます。
ただし「朦朧状態」のときには、この効果を選択することができません。
●疲労点(FP)1点消費するごとに、攻撃を除くあらゆる行動(転倒判定や飛び乗る判定など)、防御(能動防御、即決勝負)、ギブアップ判定、フォールを返す判定、朦朧状態から回復する判定のどれかに+4のボーナスを得ることができます。
これは疲労点(FP)がある限り一度に何点も消費することが可能です。
判定基準値がマイナスに達した場合は、0から加算していきます。例えば立ちあがる(姿勢変更)の判定基準値が-6であった場合、0からスタートするので、基準値は1点消費すれば4、2点消費すれば8…となります。

スタミナポイントの減少

スタミナポイントが0以下になると、その箇所を使った行動判定に-2のペナルティがつきます。それぞれの箇所でどのようなペナルティが出るかは以下の通りです。
頭部 意志判定や頭を使った攻撃などに-2
胴体 全ての行動に-2
腕部 投げ技や関節技、腕を使った攻撃に-2
脚部 立ち上がり判定や足を使った攻撃、移動に-2

疲労

疲労は体力の損失を表します。キャラクターの体力が3点になると、移動力は半減(端数切り捨て)します。
体力が1点になった場合は、体力が2点に回復するまで、体を使っての行動をする事ができません。
体力が0になると、意識を失い自動的に休息状態になります。休息によって体力が1点回復したら、意識を取り戻します。疲労によって体力がマイナスになる事はありません。
疲労したキャラクターは、静かに10分休息する毎に、体力は1点回復します。「GURPS プロレスリング」においては、試合時間5分(実時間10分)毎にキャラクターが持っている特徴「スタミナ」のレベル分だけ体力が回復します。
「GURPS ベーシック」の11秒以上続く戦闘による体力の消費は「GURPS プロレスリング」におけるプロレスの試合では採用しません。

全力攻撃

攻撃の際、自分の防御を考えずに全力で敵を攻撃します。
全力攻撃をしたターンでは能動防御は使用できず、即決勝負の防御判定に-10のペナルティがつきます。イニシアチブがない側が防御の際に能動防御を行なわない、または即決勝負で-10のペナルティを負って判定すれば、イニシアチブがない側の順番に全力攻撃が可能です。全力攻撃は以下の中からひとつを選択することができます。
●必中の一撃 技の成功判定(命中判定、即決勝負)、もしくは関節技を外す判定(ロープへにじりよる、ふりほどく、技で反撃)に+4の修正を行なって1回攻撃(または関節技を外す判定)をします。
●2回攻撃 1ターンに2回打撃技を使って攻撃できます。この2回攻撃の1回目の打撃技は備考に「W」がついている技に限定されます。また、自分や相手が走っている(飛んでいる)場合は2回攻撃を選択できません。
●フェイント即攻撃 1ターンでフェイントをかけてから同じ敵を直ちに攻撃します。
●渾身の一撃 技のダメージに+2か、サイコロ1個につき+1されます(どちらか大きい方を使います)。関節技の場合は技のダメージに+1されます。
●先制攻撃 イニシアチブを持っていない場合、先攻ターンの攻撃を行なう前に宣言することでイニシアチブを奪い取ることができます。

全力防御

1ターン防御に専念します。
全力防御をした場合は、そのターンは攻撃は全くできません。攻撃をした場合は、そのターンは全力防御ができません。全力防御は以下の中からひとつを選択することができます。
●○○優先 任意の能動防御1種類(よけ、受け)に+2のボーナスをつけます。このボーナスは、このターンが終了するまで継続します。
●即決勝負優先 即決勝負の防御判定に+4のボーナスをつけます。このボーナスは、このターンが終了するまで継続します。
●2回防御 攻撃に対する防御の判定に失敗した場合、もう一度能動防御を行なえます。つまり、1つの攻撃に対して能動防御の判定を2回行えるということです。全力防御で1ターンに2回「受け」を行うことができます。

必殺心

プロレスの試合において、「必殺心」を使うことにより、得意技を必殺技として使うことができます。
必殺心は1試合に「威厳」レベル分の回数までしか使うことができません。1回の攻撃で使用できる必殺心は1つだけです。得意技ではない技に必殺心は使えません。全力攻撃との併用が可能です。
得意技を使う前に「必殺心」を宣言することで、以下の全ての効果を起こすことができます。
●技の成功判定(命中判定、即決勝負)に+4のボーナスがつきます。
●技が成功した時点でクリティカルの効果が得られます。

クリティカル

「クリティカル」というのは、技能判定が極めて良い結果になったことを示しています。
●出目3、4は、必ずクリティカル成功
●出目5は、目標値が15以上ならクリティカル成功
●出目6は、目標値が16以上ならクリティカル成功

準備行動の判定、関節技を外す判定でクリティカルが出た場合は、必ず成功します。即決勝負での判定の場合は、相手がどんな目であっても必ず成功します。
攻撃でクリティカルが出た場合も同様で必ず成功します。打撃技でクリティカルが出た場合は、相手は能動防御ができません。投げ技・関節技でクリティカルが出た場合は、相手がどんな目であっても必ず成功します。
また、攻撃側が仕掛けた技が関節技の場合、クリティカルの効果の他に、防御側は「ギブアップ判定」をしなければいけません。攻撃側が仕掛けた技が打撃技・投げ技の場合、クリティカルの効果の他に、防御側は生命力判定を行ないます。生命力判定が失敗した場合は肉体的な朦朧状態になります。一部の凶器攻撃や反則攻撃はクリティカルが発生すると必ず「流血」に追い込みます。攻撃以外の自爆ダメージが発生する行動でクリティカルが出た場合は、クリティカルの効果が発生するのみです。これらは判定でのクリティカルであっても必殺技によるクリティカルであっても同じです。
攻撃でクリティカルが出たら3Dを振り、クリティカル表を参照して、その効果が決まります。

クリティカル表
3D 効果
3 ダメージは3倍になります。打撃技・投げ技での攻撃なら相手は自動的に気絶し、この気絶は観客ポイント3点によってのみ回復できますが、観客ポイント3点を使わなければノックアウト勝利となります。関節技なら「致命的な結果表」を振ることになります。
4 相手の防護点を無視します。
5 この試合に限り、次のターンから命中箇所に「負傷癖」がつきます(既に「負傷癖」を持っている箇所ならペナルティが蓄積されます)。
6 ダメージは2倍になります。
7 通常の最大ダメージを与えます。
8 ダメージ+2(関節技の場合はダメージ+1)。頭部を狙った打撃技なら流血となります。
9・10・11 ダメージ+1(関節技の場合は通常のダメージしか与えません)。
12 ダメージ+2(関節技の場合はダメージ+1)。頭部を狙った打撃技なら流血となります。
13 相手の防護点を無視します。
14 この試合に限り、次のターンから命中箇所に「負傷癖」がつきます(既に「負傷癖」を持っている箇所ならペナルティが蓄積されます)。
15 通常の最大ダメージを与えます。
16 ダメージは2倍になります。
17 ダメージは3倍になります。
18 ダメージは3倍になります。打撃技・投げ技での攻撃なら相手は自動的に気絶し、この気絶は観客ポイント3点によってのみ回復できますが、観客ポイント3点を使わなければノックアウト勝利となります。関節技なら「致命的な結果表」を振ることになります。

クリティカル表(加減抜き攻撃用)
3D 効果
3 ダメージは3倍になります。ダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。試合はレフェリーストップとなり、続行不可能となります。
4 相手の防護点を無視します。さらに関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
5 打撃技・投げ技ならダメージ2倍。関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
6 ダメージは2倍になります。
7 ダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。さらに打撃技・投げ技での攻撃なら通常の最大ダメージを与えます。
8 ダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
9・10・11 打撃技・投げ技ならダメージ+2。関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
12 ダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
13 打撃技・投げ技なら相手の防護点を無視します。関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
14 頭部を狙った攻撃ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。他はダメージ2倍。
15 ダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。さらに打撃技・投げ技での攻撃なら通常の最大ダメージを与えます。
16 ダメージは3倍になります。
17 相手の防護点を無視します。さらに関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。
18 打撃技・投げ技での攻撃なら自動的に相手は意識不明の重体に陥ります。関節技ならダメージを受けた箇所に対して「致命的な結果」表を振ります。

ギブアップ

必殺心やクリティカルでの関節技を受けた場合、受けたダメージをペナルティとして意志判定を行わなければなりません。
これに失敗するとギブアップしたことになり、ギブアップ負けになります。プレイヤーが任意にギブアップを宣言することもできます。「痛みに強い」「痛みに弱い」、体力消費の効果などにより、意志判定に影響されます。
関節技が反則技だった場合、このギブアップ判定は行なわず、レフェリーが反則を見つけるチェック判定が行なわれます。

ノックアウト

試合中、リング内で選手が倒れていて、起き上がって動くことができないとレフェリーが判断してから10カウントされると、倒れている選手はノックアウト負けとなります。
選手が倒れていて、もう片方の選手がレフェリーにノックアウトのカウントを要請したとき、もしくは試合権利のある両方の選手が倒れていて両者とも動くことができないと判断されたとき、GMの判断でレフェリーはノックアウトのカウントを開始します。1ターンにつき5カウントされます。レフェリーがノックアウトのカウントをしてから2ターン終了後、選手が起き上がるか倒れたまま移動できなければ、その選手はノックアウト負けになります。ノックアウトのカウント中、倒れている選手に攻撃をしたり、ひき起こす、フォールなどの行動をとった場合は、ノックアウトのカウントは中断されます。

クリティカルで「打撃技・投げ技での攻撃なら相手は自動的に気絶し、この気絶は観客ポイント3点によってのみ回復できますが、観客ポイント3点を使わなければノックアウト勝利となります。」の効果が発生したときは、観客ポイント3点の消費でしか回復できず、回復できないときは、カウントを取られることなく即座にノックアウト負けとなります。
また、体力か生命力が0になった選手に対して、レフェリーは試合続行ができるかチェックを行います。試合続行不可能と判断された場合も、カウントを取られることなくノックアウト負けとなります。

朦朧状態

朦朧状態には「精神的な」朦朧状態と「肉体的な」朦朧状態に分かれます。金的攻撃や毒霧などの凶器での攻撃を受けたときには「不完全な不意討ち」と同等の精神的な朦朧状態になります。クリティカルやファンブルの効果、HPにダメージを与えるような攻撃を受けたときには肉体的な朦朧状態になります。「GURPS プロレスリング」のプロレスの試合中、常に敵と対峙しているため、「完全な不意討ち」になることはありません。

「不完全な不意討ち」と同等の精神的な朦朧状態の間、移動や攻撃などの行動をとることができず、防御判定(ロープに振られる防御やフォールを返す防御なども含む)に-4のペナルティがつきます。
この精神的朦朧状態から回復するには、ターンの開始時に知力判定を行ないます。この判定には朦朧状態によるペナルティ-4はつきません。判定に成功すれば、そのターンは「何もしない」を選ばなくてはなりませんが、以降のターンでは普通に行動できるようになります。失敗すると、精神的に未だ「朦朧としている」ことになります。回復する判定は、第2ターンには+1、第3ターンには+2…というように知力判定にプラス修正があります。

肉体的な朦朧状態も、精神的な朦朧状態と同様に移動や攻撃などの行動をとることができず、防御判定(ロープに振られる防御やフォールを返す防御なども含む)に-4のペナルティがつきます。
肉体的な朦朧状態から回復するには、ターンの終了時に生命力判定を行ないます。この判定には朦朧状態によるペナルティ-4はつきません。成功すれば次のターン、普通に行動することができます。失敗すると朦朧状態のままで、次のターンも移動や攻撃などの行動をとることができません。ターンの終了時にはもう一度生命力判定を行なうことができます…この手順を朦朧状態から回復するまで続けます。

プロレスの試合では、朦朧状態の相手が攻撃やフォール、ひき起こすなどの行動を仕掛けられた場合、その次のターン初めの時点で自動的に朦朧状態から回復します。

流血

凶器攻撃のうち、「凶器による打撃」「凶器を持って倒れている相手に身体を落としていく攻撃」「遮蔽物に相手を振って叩きつける攻撃」(スタンガンやパウダーなどの柔らかい物での攻撃は外す)、及び「リング内以外の床(のうち、コーナークッションなしのターンバックル、画鋲やガラスの破片の上、有刺鉄線ボードや剣山ボードの上)に投げ技」、ひっかき(打撃技)、噛みつき(関節技)のクリティカルでは、必ず相手を流血に追い込みます。頭部への打撃技もクリティカル表次第では相手を流血に追い込みます。
流血すると試合時間の5分区切りごとに体力1点を失っていきます。時間の区切りは「試合時間の5分区切りごと」であり、決して「流血してから5分ごと」ではないことに注意してください。流血は身体のどれか一箇所(頭部・胴体・腕部・脚部)に起こりますが、複数箇所が流血になっても効果が累積されることはありません。

衝撃

スタミナポイントではなく生命力にダメージを負うと、次のターンだけ、知力と敏捷力が受けたダメージと同じだけ低下します(ただし、どれだけ傷を受けてもペナルティは-4までです)。この効果は「衝撃」と呼ばれて、一時的なものです。その後のターン、敏捷力や知力、技能レベルは元に戻ります。衝撃は敏捷力と知力を基準とする技能レベルに影響を与えますが、能動防御などの防御的な反応には影響しません。
一度にHPの半分を超えるダメージを与える負傷は「大怪我」です。大怪我をすると、転倒や朦朧状態になるのを防ぐために生命力判定を行なわなければなりません。この場合の生命力判定は基本生命力(キャラクターの生命力の元値)を用います。生命力判定に失敗したら、肉体的な朦朧状態となって転倒します。

負傷

怪我や病気は「負傷」をもたらします。「GURPS プロレスリング」の場合、加減抜き攻撃などにより生命力にダメージを受ける場合があります。
生命力が0以下になると、程なく意識を失ってしまうでしょう。生命力がマイナスになっても、死んでしまうわけではありません。しかしさらにダメージを受けると、死の危険があります。平均的な人間の場合、生命力が完全な状態から一度か二度攻撃を受けると生命力がマイナスになります。
例え一度に受けるダメージが小さかったとしても、何度も傷つけられたキャラクターは徐々に弱くなり、機能が衰えてしまいます。以下の表は生命力が低下したりマイナスになったときの効果概要です。全ての効果は蓄積します。

●生命力が残り1〜3未満
傷の影響でよろめきます。
移動力とよけが半分(端数切り上げ)になります。
●生命力が0以下
意識を失う危険性があります。
上の影響に加えて、戦闘が続いているなら自分のターンの始めに生命力判定を行なってください。この場合の生命力判定は基本生命力(キャラクターの生命力の元値)を用います。生命力が「マイナス生命力」になるごとに-1の修正があります。判定に失敗すると意識を失います。成功すればそのターンは普通に行動できますが、活動し続けるためには毎ターンこの判定を行なわなければなりません。
例外:そのターン「何もしない」を選択して、一切防御判定を行なわなかったら、判定せずに意識を保っていられます。判定が必要なのは、防御判定を試みたり「何もしない」以外の行動を選択したいときだけです。
●本来の生命力分だけマイナス
上記に加えて、生命力判定を即座に行なわなければなりません。この場合の生命力判定は基本生命力(キャラクターの生命力の元値)を用います。失敗すると死にます(1か2の差で失敗した場合、死につつありますがまだしんではいません)。成功すると、まだ話したり戦ったりすることができます(生命力判定に失敗して気絶するまでの話ですが)。この状態でさらに生命力分だけダメージを受けると(一度であろうが蓄積であろうが)再度生命力判定を行なわなければなりません。例えば生命力11のキャラクターは、生命力が-11になった時点で死ぬかどうかの判定を行なわなければなりません。もし生き残ったら、次は-22、-33…になったときに判定します。
●生命力×5だけマイナス
自動的に死んでしまいます。合計で生命力の6倍を失ったキャラクターは、例え誰であっても生き延びることはできなくなるのです。
●生命力×10だけマイナス
身体が完全に破壊されてしまいます。
何が残るかは、どのような手段で破壊されたかによります―200点分の矢傷を負ったとしたらバラバラかもしれませんが、誰だか見分けのつく死体が残ります。200点分の炎で焼かれた場合、後に残るのは見分けのつかない炭の塊だけでしょう。

ファンブル

「ファンブル」というのは、技能判定が極めて悪い結果になったことを示しています。
●出目18は、必ずファンブル失敗
●出目17は、目標値が15以下ならファンブル失敗、目標値が16以上なら通常の失敗
●目標値より10以上大きな出目(目標値が6なら16以上、目標値が5なら15以上…など)は、ファンブル失敗

準備行動の判定、関節技を外す判定でファンブルが出た場合は、必ず失敗します。即決勝負での判定の場合は、相手がどんな目であっても必ず失敗します。
攻撃でファンブルが出た場合も同様で必ず失敗します。攻撃でファンブルが出たら3Dを振り、ファンブル表を参照して、その効果が決まります。打撃技に対する能動防御でファンブルが出た場合、防御側がファンブル表(打撃技用)を参照し、転倒と追加ダメージを適用します。投げ技や関節技に対する判定で防御側にファンブルが出た場合、防御側がファンブル表(投げ技・関節技用)を参照し、判定のマイナス修正が相手の追加ダメージとして適用されます。防御側がファンブルで攻撃側がクリティカルの場合は、攻撃側のクリティカルの方のみを適用します。

ファンブル表(打撃技用)
3D 効果
3 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージの2倍が自分にきます。
4 攻撃が「加減抜き攻撃」になってしまいます。防御の場合は相手の攻撃ダメージが2倍になります。
5 バランスを崩して転倒します。次ターン終了まで一切の行動がとれません。
6 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージ+2が自分にきます。
7 バランスを崩して転倒します。次ターンの立ち上がり判定に-4。
8 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージが自分にきます。
9・10・11 バランスを崩して転倒します。
12 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージが自分にきます。
13 バランスを崩して転倒します。次ターンの立ち上がり判定に-2。
14 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージ+2が自分にきます。
15 バランスを崩して転倒します。次ターン終了まで一切の行動がとれません。
16 攻撃が「加減抜き攻撃」になってしまいます。防御の場合は相手の攻撃ダメージが2倍になります。
17 バランスを崩して転倒します。備考に「空殺」がついている技なら頭部を打って肉体的朦朧状態となります。
18 攻撃した箇所の打ち所が悪く、攻撃ダメージの2倍が自分にきます。

ファンブル表(投げ技・関節技用)
3D 効果
3 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-4修正。
4 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-3修正。
5 攻撃が「加減抜き攻撃」になってしまいます。防御の場合は相手の攻撃ダメージに+2されます。
6 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-2修正。
7・8 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-1修正。
9・10・11 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。
12・13 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-1修正。
14・15 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-2修正。
16 攻撃が「加減抜き攻撃」になってしまいます。防御の場合は相手の攻撃ダメージに+2されます。
17 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-3修正。
18 丸め込まれて「フォール」の体勢にもっていかれます。判定時に-4修正。

致命的な結果

クリティカル表で「致命的な結果」が出るか、ある一箇所のスタミナポイントが上限のマイナス4倍(スタミナポイント12なら-48)になるか、生命力が上限分だけマイナス(生命力12なら-12)になったら、直ちに致命的な結果表を振ります。
致命的な結果が同じ箇所に発生した場合、その結果は累積して考えます。例えば右腕に「9 〜以後3日間の試合全ての判定に-1」の判定が出た翌日、同じ箇所への攻撃で「12 〜試合を続けるなら2週間の間-2」の結果が出たら、最初に傷ついた日から数えて「17日間の試合全ての判定に-3」となります。つまり、怪我が悪化してしまうのです。
累積した結果、ペナルティが-4を越えたら、その箇所には「負傷癖」の特徴がついてしまいます。「負傷癖」の箇所にさらに-4のペナルティがつく(つまり負傷癖が重なる)と、その箇所はもはや普段の生活にも支障が出る程負傷してしまったものと見なし、レスラーとして引退を余儀なくされます。

致命的な結果表
3D 効果
3 その箇所が致命傷を負い、引退せざるを得なくなります。頭部なら即死、首なら生命力判定(基本の生命力)に成功しなければ即死か植物人間になります。
4 全治(2D)ヶ月の怪我を負い、その箇所が「負傷癖」となります。治療中は試合をすることができません。試合はレフェリーストップとなります。
5 全治(1D)ヶ月の怪我を負い、その箇所が「負傷癖」となります。治療中は試合をすることができません。試合はレフェリーストップとなります。
6 全治(2D)週間の怪我を負い、試合はレフェリーストップとなります。治療中は試合をすることができません。
7 その箇所に激痛が走ります。試合を中止すれば以後3週間の試合全ての判定が-2で済みますが、そのまま試合を続けるなら2ヶ月間-2となります。
8 その箇所に激痛が走ります。試合を中止すれば以後1週間の試合全ての判定が-1で済みますが、そのまま試合を続けるなら1ヶ月間-1となります。
9・10・11 その箇所に激痛が走ります。試合を中止すれば以後3日間の試合全ての判定が-1で済みますが、そのまま試合を続けるなら1週間-1となります。
12 その箇所に激痛が走ります。試合を中止すれば以後1週間の試合全ての判定が-1で済みますが、そのまま試合を続けるなら2週間-2となります。
13 その箇所に激痛が走ります。試合を中止すれば以後2週間の試合全ての判定が-3で済みますが、そのまま試合を続けるなら2ヶ月間-1となります。
14 全治(1D)週間の怪我を負い、試合はレフェリーストップとなります。治療中は試合をする事ができません。
15 全治(2D)週間の怪我を負い、試合はレフェリーストップとなります。治療中は試合をする事ができません。
16 全治(1D)ヶ月の怪我を負い、その箇所が「負傷癖」となります。治療中は試合をすることができません。試合はレフェリーストップとなります。
17 全治(2D)ヶ月の怪我を負い、その箇所が「負傷癖」となります。治療中は試合をすることができません。試合はレフェリーストップとなります。
18 その箇所が致命傷を負い、引退せざるを得なくなります。頭部や首の場合、致命傷でなくとも構いませんが、二度とプロレスはできません。

観客

「GURPS プロレスリング」では、試合に参加している選手やレフェリー、セコンド以外の試合に参加していないプレイヤーは「観客」として扱われます。観客には「観客ポイント」を持ち、観客はそれを使用することによって、試合をしている選手に影響を与えることができます。
観客ポイントは観客とGMに1人につき1ポイントが1試合ごとに与えられます。試合会場が大きく大観衆のもと試合が行なわれている場合は、2ポイント以上持たせても構いません。
観客は、観客ポイントをいつでも使うことができます。ただし、宣言はその判定ダイスを振る前に行ってください。効果は以下の中からひとつを選択します。

●観客ポイント1点につき、スタミナポイントをどこでも3点回復させることができる。
●観客ポイント1点につき、あらゆる判定に+4のボーナスがつく。体力消費や全力攻撃、全力防御、必殺心などの効果とも併用可能です。
●観客ポイント1点で、フォールを無条件に返すことができる。ただし、必殺心が使用された攻撃の後にフォールされた場合はこの効果は使用できない。

レフェリー

レフェリーは原則としてGMが演じますが、GMがNPCのレスラーで試合をするなどの場合は他のプレイヤーに任せても構いません。
<職業技能/プロレスジャッジ>技能を使って、レフェリーは以下の裁定を行います。この裁定は普通のプロレスの試合を想定したものなので、ルールが違う場合は、それに合わせて判定基準を変更し、それをプレイヤーに告げてください。

凶器チェック

試合開始前のレフェリーチェックまたは試合中に選手が凶器を隠し持っている場合、レフェリーの<職業技能/プロレスジャッジ>か<発見>と選手の<競技知識/プロレス>-3(状況によってはこれ以上のペナルティがつく場合があります)か<隠匿>で即決勝負をします。レフェリーが勝ったら隠していた凶器が発見されます。レフェリーが負け(引き分けも含む)たら、隠している凶器に気がつきません。凶器を堂々と持って入場してきて、試合開始前にセコンドに預ける事もできます。
選手が持っている凶器を発見したレフェリーは、凶器を没収します。レフェリーの警告を無視して凶器を使用した場合は、反則裁定の対象になります。

ロープブレイク

選手が関節技をかけられていたり相手に組まれている状態で、ロープを握る(または足首などの身体の一部をロープにかける)と、レフェリーから「ロープブレイク」が宣言され、関節技をかけていたり組んでいる選手は離れなければなりません。
これは技能とは関係なく自動的に行われる行動です。もし選手がロープブレイクを拒否した場合は反則裁定の対象になります。

反則チェック

選手が反則行為(反則技や凶器の使用など)を行なうと反則裁定の対象になり反則負けになるおそれがあるので、レフェリーの死角をついたり、タッグパートナーやセコンドなどがレフェリーに注意を向けさせたりして、レフェリーにバレないように行なわれる場合があります。
試合中にレフェリーの隙をついて選手が反則行為を行なった場合、レフェリーの<職業技能/プロレスジャッジ>か知覚力と選手の知覚力(状況によってボーナスやペナルティがつく場合があります)で即決勝負をします。レフェリーが勝ったら選手の反則行為を発見します。レフェリーが負け(引き分けも含む)たら、選手の反則行為に気がつきません。
選手の反則を発見したレフェリーは下記「反則裁定」に従って裁定を行います。選手が隠すことなく反則行為を行なっていたら、レフェリーは反則チェックの判定を行なう必要はなく反則行為を発見できます。

反則裁定

選手が反則をした場合、反則を始めたターンに警告を行います。それでも反則をやめなければ、凶器を取り上げるなど、体をはって反則を阻止しようとします。それでもなおレスラーが反則をやめないとき、レフェリーは反則をし続けたターン数をマイナスした<職業技能/プロレスジャッジ>技能で裁定を行います。この判定に失敗したレフェリーは「反則負け」を宣言します。この判定は、そのレスラーが反則をやめるまで毎ターン続けます。
反則が「レフェリーへの暴行」「他レスラーの乱入」「凶器攻撃を止めない」などの、もはやルールを超えた悪質なものであれば、GM判断で-1〜-8のペナルティをつける、または判定なしで反則負けを宣言しても構いません。

フォール

選手がフォールの体勢に入ったときにレフェリーはカウントをとります。
これは技能とは関係なく自動的に行われる行動です。フォールを返す判定はフォールされている側の選手が行います。

リングアウト

試合中、選手がリングの外にいて、リング内(ロープより内側)に戻る意思がないとレフェリーが判断してから20カウントされると、外にいる選手はリングアウト負けとなります。ルールによっては10カウントだったり、リングアウトのルールがなかったりします。
最初、レフェリーは場外に出ている選手にリングに戻るよう警告をします。それでも選手がリング内に戻らなければ(場外に3〜4ターンいるくらいが目安)、もしくは選手が倒れていてリングに戻ることができない状況ならば、GMの判断でレフェリーが場外カウントを開始します。1ターンにつき5カウントされます。レフェリーが場外カウントをしてから4ターン終了後(10カウントのルールの場合は2ターン終了後)も場外にいる場合は、その選手はリングアウト負けになります。

レフェリーストップ

レフェリーは以下のいずれかの状態になったときに、レフェリーストップ裁定を下して試合を中止、終了させます。
●クリティカルなどの効果で、ノックアウトになったとき
●選手のいずれかの箇所のスタミナポイントが上限と同じだけマイナス(スタミナポイントが12だとしたら-12)になったら、レフェリーがレフェリーストップ判定を行い、それに失敗したとき
●選手のいずれかの箇所のスタミナポイントが上限の倍だけマイナス(スタミナポイントが12だとしたら-24)になったとき
●選手の体力または生命力が0を下回ったら、レフェリーがレフェリーストップ判定を行い、それに失敗したとき
●選手の生命力が本来の生命力分だけマイナスになったとき

レフェリーストップ判定は<職業技能/プロレスジャッジ>技能の成功判定です。体力または生命力が0を下回ったレフェリーストップ判定は<職業技能/プロレスジャッジ>-4で判定を行います。
失敗した場合、レフェリーストップによって試合終了となります。レフェリーストップの判定に成功して試合続行となっても、生命力0以下のキャラクターは毎ターンの始めに生命力判定を行います。この場合の生命力判定は基本生命力(キャラクターの生命力の元値)を用います。判定に成功すれば、そのターンは普通に行動することができますが、判定に失敗すると、キャラクターはたちまち意識を失ってしまい、レフェリーストップによる試合終了となります。

レフェリーに抗議

レフェリーのレフェリングに不服がある場合はレフェリーに抗議することができます。
選手やセコンドの抗議によってレフェリングが覆されることは滅多にありません。特に勝敗に関するレフェリングは一度出された判定はよほどレフェリングに不備がない限り覆ることはありません。ある相手に不当なレフェリングが行なわれる場合もありますが、そのレフェリーは「意識的に」不当なレフェリングを行なっているため当然覆ることはまずありません。
試合中のレフェリーへの抗議は大抵、「レフェリーに注意を向けさせる」ための抗議であるケースが多いです。この場合は、後述「レフェリーに注意を向けさせる」の判定を行ないます。
もし注意を向けるためではなく、本当にレフェリーに抗議する場合、レフェリーの<職業技能/プロレスジャッジ>と抗議した選手やセコンドの<競技知識/プロレス>-10(GM判断により-10以上、または-10以下のペナルティをつけても構いません)で即決勝負を行ないます。抗議した選手やセコンドが勝った場合は、抗議したレフェリングが覆されます。

レフェリーに暴行

レフェリーに対してプロレス技で攻撃することができます。
<プロレス>技能を持っていないレフェリーは防護点はありませんし、「受け」の数値がつきません。またプロレスラーや格闘家ではないレフェリーはスタミナポイントが設定されていないので、ダメージは生命力へ、つまり「加減抜き攻撃」となります。普通、選手がレフェリーに対してプロレス技で攻撃した場合は反則裁定の判定なしで即反則負けとなります。

選手の最低でも片手が空いており、選手とレフェリーが立っているか跪いている姿勢ならば、選手はレフェリーを突き飛ばすことができます。
突き飛ばすためには、選手はレフェリーに「組みつく」必要があります。レフェリーは能動防御「よけ」を行なって組みつきからのよけを試みます。「よけ」が失敗した場合、選手はレフェリーを捕まえて突き飛ばせる状態になります。レフェリーを突き飛ばした選手は「突き」の基本ダメージを算出します。このダメージはレフェリーの転倒判定のペナルティとなるもので実際にダメージを与えるわけではありません。<プロレス>レベルの1/5(端数切り捨て)分のダメージボーナスはつきません。レフェリーは生命力からダメージを減らしたものを目標値として転倒判定を行ないます。成功したらレフェリーはちょっとよろけただけで姿勢に変化はありません。失敗したらレフェリーは転倒します。転倒したレフェリーはターン終了時に敏捷力を基準とした立ち上がり判定を行なって立ち上がります。転倒判定にファンブルで失敗した場合は、転倒判定のペナルティ分のターン、立ち上がり判定を行なえません。

走っているレフェリーが選手や遮蔽物に衝突した、または走っている選手がレフェリーに衝突した場合、レフェリーは転倒します。
レフェリーが衝突しそうになった場合、レフェリーは能動防御「よけ」を行います。走っている場合は「よけ」に-2のペナルティがつきます。「よけ」に失敗したレフェリーは転倒し、レフェリーの「突き」の基本ダメージ分のターン、立ち上がり判定を行なえません。転倒したレフェリーはターン終了時に敏捷力を基準とした立ち上がり判定を行なって立ち上がります。
レフェリーを場外に落とすことも可能ですが、この際受けたレフェリーの自爆ダメージはHPを減らすことになり、自爆ダメージ分のターン、立ち上がり判定を行なえません。

レフェリーに注意を向けさせる

選手がレフェリーに抗議する、選手がレフェリーを引っ張るなどの行為を行なうことで、レフェリーを自分に向けさせることができます。
抗議などの注意を向けさせる行動が行なわれたら、レフェリーは<職業技能/プロレスジャッジ>技能レベルを目標値にした成功判定を行ないます。この判定はGM判断である程度のペナルティをつけたり、判定を行なわずにわざと失敗しても構いません。成功判定に成功したらレフェリーは注意が向くことはありません。成功判定に失敗したらレフェリーは注意が向きます。
レフェリーを引っ張るためには「組みつく」必要があります。レフェリーが組みつきからの「よけ」に失敗した場合は、レフェリーは引っ張られて注意が向きます。
また、抗議することによってレフェリーを相手選手や相手セコンドに向けさせることもできます。この場合も、レフェリーは<職業技能/プロレスジャッジ>技能レベルを目標値にした成功判定を行ない、失敗したら相手に注意が向きます。この判定もGM判断である程度のペナルティをつけたり、判定を行なわずにわざと失敗しても構いません。

勝敗

通常のプロレスの試合は以下の条件で勝敗が決まります。試合のルールによっては以下の条件では決着がつかない場合やオーバー・ザ・トップロープ(トップロープを越えて場外に転落した時点で負け)などの新たな条件が加わる場合もあります。
フォール/ギブアップ/ノックアウト/レフェリーストップ/場外リングアウト/反則裁定

上級戦闘

タッグマッチ

タッグマッチとは、2組の複数人数のチームが戦うプロレスの試合形式です。各チームのうち1人が試合権利を持ち、試合権利を持っている選手同士で試合を行います。試合権利は自軍コーナー付近のエプロンサイドに待機している選手にタッチすることで入れ替わります。
複数人対1人で試合を行なうハンディキャップマッチ、セコンドやマネージャーなどが試合に乱入する場合もタッグマッチの要領で試合を行なうことになります。

タッグマッチのターンの流れ

タッグマッチでのターンは下記のように進行していきます。

(決まっていなければ)イニシアチブの決定

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っている選手の移動、準備行動

イニチアチブのあるチームの試合権利を持っている選手の攻撃(または準備行動)

(立っている姿勢で動ける状態ならば)イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手の準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手の攻撃(または移動、準備行動)

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っていない選手の移動、準備行動

イニチアチブのあるチームの試合権利を持っていない選手の攻撃(または準備行動)

(立っている姿勢で動ける状態ならば)イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手の準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手の攻撃(または移動、準備行動)

試合権利を持っていない選手は必ず移動、準備行動、攻撃をしなければいけないわけではありません。
タッグマッチで気をつけなければならないのは、試合権利を持っていない選手(セコンドやマネージャーなど試合に参加する権利がない人も含む)がリング内に入ると反則裁定の対象になるということです。通常、試合権利のない選手は自軍コーナー付近のエプロンサイドで待機しています。試合権利のない選手は何か行動を宣言しない限り待機(何も行動をしない)と見なされます。

チームが3人以上いて試合権利を持っていない選手がチームに複数いる場合、試合権利のない選手の行動順は任意です。通常は基本反応速度(BS)の高い選手から行動します。複数人対1人のハンディキャップマッチでは、1人のチームは試合権利を持っていない選手(の行動順)がないことになります。

タッグマッチのイニシアチブ

イニシアチブは選手に対してではなく、チーム全体でイニシアチブを持つことになります。
最初のターンなどイニシアチブが決まっていない場合は試合権利がある選手同士で1Dを振り数の大きい選手がイニシアチブを取る、以後イニシアチブを持っているチームから行動する、先攻にダメージを与えるとイニシアチブが入れ替わる、全力攻撃(先制攻撃)でイニシアチブを奪うことができる…は、シングルマッチと同様です。

タッグマッチの移動

移動の方法もシングルマッチと同様です。移動力は個人それぞれで持ちます。移動力をチーム全体で持つことはありません。

タッグマッチの準備行動

タッグマッチでは準備行動「タッチ」を使用することができます。タッチとは自分チームのパートナーに試合権利を譲る行動です。
タッチを行なうために成功判定は必要ありません。対戦相手と離れていても組まれていても、姿勢は立っていても跪いていても倒れていてもタッチを行なうことができます。ただし、自軍コーナーにあるタッグロープとよばれる長さ30p程度の紐を握ってエプロンサイドで待機しているパートナーがタッチできる距離にいなければ、タッチは成立しません。また、待機しているパートナーはリング内に入っているとタッチは成立しません。また、レフェリーがパートナーとタッチしているのを見ていなければタッチの成立を認められません。
タッチが成立すると、タッチした選手は自軍コーナーの外に、タッチをされたパートナーはリング内に入らなければなりません。通常のタッグマッチでは、各チームに1人の選手が試合権利を持っています。試合権利を持っていない選手がリング内に入ると反則裁定の対象になります。
消費する準備ポイントは0です。この準備行動は1ターンに1回のみ行なえます。

タッグマッチでカットプレイやツープラトンなど試合権利を持っていないパートナーやセコンドを試合に介入させるとき、そのパートナーやセコンドが準備行動を行ない準備ポイントを消費する場合は、試合権利を持っている選手が持っている準備ポイントを試合権利のないパートナーやセコンドに使用します。つまり、試合権利を持っている選手の準備ポイントをチーム全体に使うことになります。

タッグマッチの攻撃

タッグマッチでは通常、リング内にはチーム内のうちの1人同士が戦っていますが、試合権利を持っていない選手がリング内の戦いに介入することがあります。シングルマッチであっても試合権利のないセコンドなどがリング内の戦いに介入することがあるでしょう。
試合権利を持たない選手やセコンドの介入のルールを以下に記します。

ツープラトン

ツープラトンとは試合権利を持っていない選手が加わることで1人の相手に対して2人以上の複数で攻撃を行なうことです。2人がかりの攻撃は「ツープラトン攻撃」、3人がかりの攻撃は「スリープラトン攻撃」と呼ばれますが、便宜上、ここでは1人に対して複数人で行なう攻撃のことを「ツープラトン攻撃」と呼びます。

複数人がかりで1人の相手を攻撃するため、ターンの流れが変わります。イニシアチブを持っているチームがツープラトン攻撃を試みる場合、ターンの流れは以下のようになります。

イニシアチブのあるチームの移動、準備行動

イニチアチブのあるチームのツープラトン攻撃

(立っている姿勢で動ける状態ならば)イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手の準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手の攻撃(または移動、準備行動)

(立っている姿勢で動ける状態ならば)イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手の準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手の攻撃(または移動、準備行動)

当然、攻撃対象の選手に攻撃が届く範囲に複数人いなければツープラトン攻撃は成立しません。
ツープラトン攻撃には主に「連携攻撃」「合体攻撃」「補助攻撃」「拘束攻撃」があります。どのツープラトン攻撃も全力攻撃、必殺心の併用が可能です。ただし「合体攻撃」「補助攻撃」の場合は、ツープラトン攻撃を仕掛ける選手全員が全力攻撃(必殺心)を使用しなければなりません。その効果は全力攻撃(または必殺心)1回分で、選手全員が全力攻撃(または必殺心)を行なって選手それぞれが全力攻撃(または必殺心)の恩恵を受けることにはなりません。
「連携攻撃」「合体攻撃」「補助攻撃」「拘束攻撃」以外の新しいツープラトン攻撃を試みたときは、下記「連携攻撃」「合体攻撃」「補助攻撃」「拘束攻撃」を参考にGMが効果を決めてください。

ツープラトン攻撃表
攻撃方法 攻撃判定 防御判定 ダメージ
連携攻撃 通常 それぞれの攻撃に対して判定 通常
合体攻撃 目標値の小さい方に+4 判定を行なっている相手に対して判定 ダメージの大きい方に+(合体攻撃をした人数-1)
補助攻撃 通常 プロレス技を行なっている相手に対して判定 +(力を加えた人数)、トップロープ以上の高い位置から力を加えた1人につき+1
拘束攻撃 通常 姿勢によるペナルティを受けて判定 通常
複数に交互に攻撃 命中判定-(2×(人数-1))、即決勝負なら成功判定-(3×(人数-1)) それぞれに判定 -(人数-1)
複数に同時に攻撃 -4 どれか1人がもう1人の「持ち上げ技防御修正」を加算して判定(打撃技の場合はそれぞれが判定) -(人数-1)
同士討ち 攻撃は防御「よけ」が代わり 防御は敵それぞれの攻撃に対して判定 通常、プロレス技ではない場合は技ダメージの代わりに「突き」ダメージを使用

連携攻撃

連携攻撃とは、1人の選手に対して味方チームが1人づつプロレス技を仕掛ける形のツープラトン攻撃です。

ツープラトン攻撃の中では一番シンプルな攻撃方法です。1人ずつ準備行動、攻撃判定を行なっていきます。
相手もそれぞれの攻撃に対して防御を行なっていきますが、注意しなければならないのは、1ターン内に1つの攻撃につき1回能動防御「よけ」を行なうことができますが、能動防御「受け」は1ターン内に1回しか行なえないことです。能動防御以外の即決勝負による防御判定も、1つの攻撃や行動につき1回判定を行なうことができます。

準備ポイントが残っていれば、連携攻撃の合間に、残っている準備ポイントを消費して準備行動が行なえます。
連携攻撃の最後が打撃技による攻撃の場合のみ、防御側の転倒判定による肉体的な朦朧状態が有効になります。それ以外の打撃技による連携攻撃では、防御側は転倒判定による肉体的な朦朧状態にはなりません。

全力防御(2回防御)のうちの「攻撃に対する防御の判定に失敗した場合、もう一度能動防御を行なえます。」は連携攻撃内のどれか1つの攻撃にのみ適用できます。全力防御(2回防御)のうちの「1ターンに2回「受け」を行うことができます。」で1回しか行なえない「受け」を2回行なうことができます。全力防御(○○優先)または全力防御(即決勝負優先)を選択すると、そのターン内の防御判定全てに適用されます。

合体攻撃

合体攻撃とは、1人の選手に対して複数人がかりで同時にプロレス技を仕掛ける形のツープラトン攻撃です。

合体攻撃に使用するプロレス技は同じものである必要はありませんし、違う技種類のプロレス技でも構いません。例えば関節技+関節技、投げ技+打撃技などの組み合わせができます。ただし、「同時」に仕掛ける攻撃でなければ合体攻撃にはなりません。
合体攻撃をする攻撃側のうち目標値の小さい方に+4の修正をつけて判定を行ないます。これは2人より多い人数による合体攻撃であっても修正は+4です。ロープに振る、ひき起こすなどの準備行動を複数人がかりで行なう判定も目標値の小さい方に+4の修正をつけて行ないます。
攻撃に成功した場合、合体攻撃をした攻撃側のうちダメージ(体重や体勢によるダメージボーナスを外す)の大きい方に+(合体攻撃をした攻撃側の人数-1)が加わります。2人による合体攻撃なら+1、3人による合体攻撃なら+2、…となります。加えて体重増加ダメージ(「体重差影響表」参照)、高低差ダメージ(「体勢によるダメージボーナス」参照)などが発生するプロレス技が合体攻撃に含まれていた場合は全て加算します。合体攻撃によってダメージを与える箇所が複数に及ぶ(頭部と脚部、胴体と腕部など)場合、与えたダメージの箇所のうち、どれか一箇所にダメージを与えます。

補助攻撃

補助攻撃とは、味方選手が仕掛けるプロレス技に力を加える形のツープラトン攻撃です。

合体攻撃は攻撃側全ての選手がプロレス技を用いましたが、補助攻撃は1人(または複数人)がプロレス技を行ない、残りの選手が相手選手の身体の一部を掴んで投げたり体重を乗せて力を添えることで、プロレス技のダメージを増加させるもので、合体攻撃のバリエーションのひとつとも言えます。
成功判定はプロレス技を仕掛ける選手が行ない、補助攻撃による修正はありません。攻撃に成功した場合、補助攻撃で使われたプロレス技のダメージに+(力を加えた攻撃側の人数)が加わります。1人が力を加えた場合は+1、2人が力を加えた場合は+2、…となります。力を加えた選手がトップロープからリング内まで以上の高い位置から仕掛けた場合、1人につき+1ダメージが加算されます。
1人に対して複数人がかりで準備行動「フォール」を行なう場合、フォールをしている選手に残りの選手が力を添える補助攻撃として扱います。フォールを返す判定に(力を加えた攻撃側の人数)分のペナルティが加わります。
複数人がかりでのフォール(フォール技によるフォールを含む)を返す際に、「●体力1点消費することにより、フォールを返す判定に無条件で成功することができます。」と「●観客ポイント1点で、フォールを無条件に返すことができる。」は使用できません。
備考「自重」がついているプロレス技または準備行動「フォール」に力を添えている選手に体重増加ダメージがある場合は全て加算されます。

1人が四つん這いなどの「跪く」姿勢になり、もう1人がそれを踏み台にして高い位置から攻撃したり高低差の必要なプロレス技を行なうツープラトン攻撃も補助攻撃に含みます。
この補助攻撃では、四つん這いになった選手の踏み台はリング内からサードロープまでの高さに相当し、跪いている選手(通常のプロレスラーの大きさの場合)の肩の位置はリング内からセカンドロープまでの高さに相当します。また立っている選手(通常のプロレスラーの大きさの場合)の肩の位置はリング内からトップロープまでの高さに相当します。

拘束攻撃

拘束攻撃とは、味方選手が押さえ込んで攻撃する形のツープラトン攻撃です。

拘束攻撃は1人(または複数人)が相手選手を押さえ込み、残りの選手がプロレス技を行なう、連携攻撃のバリエーションのひとつとも言えます。押さえ込む方法は身体の一部を掴む、羽交い絞めにする他に、関節技による押さえ込みや相手を肩車のように担ぐ方法もあります。
成功判定はプロレス技を仕掛ける選手が行ない、拘束攻撃による修正もダメージ増加もありません。防御側は拘束される方法や姿勢により防御判定にペナルティが加えられます。「体勢による防御ペナルティ」参照のこと。
関節技を掛けられている状態で攻撃された場合、防御判定に「体勢による防御ペナルティ」によるペナルティを加え直前に受けたダメージ分のペナルティがつきます。
攻撃側が相手を肩車のように担いで、残りの選手がコーナーポスト上などの高い位置から攻撃された場合、防御判定には「組んでいる」体勢と同じペナルティ(-2)がつき、転倒したり倒れた場合、受けたダメージにさらに高い位置から攻撃されることによる追加ダメージ(「体勢によるダメージボーナス」参照)が加えられます。例えば、肩車に担がれた体勢でコーナーポストのトップロープ上から頭部を狙った打撃技を仕掛けられた場合、防御判定には「組んでいる」体勢と同等の-2、打撃技の判定が成功したらダメージは打撃技のダメージが頭部に与えられ、転倒判定に失敗したらリング内に転倒してトップロープまでの高さからの攻撃によるダメージ(+2)が頭部に与えられます。

複数人に対して1人で攻撃

1ターンのうちに1人の選手が2人以上の相手に対して攻撃を行なうことができます。交互に攻撃する場合と同時に攻撃する場合があります。

複数の選手相手に交互に攻撃する場合、最後の相手に対する攻撃以外は姿勢が変更(例えば仕掛けた後に倒れている姿勢になる打撃技)されず体勢を変えない(例えば助走をつけたり飛んだりしない)打撃技に限られます。
攻撃の対象になる2人の選手に対して命中判定-2(即決勝負の判定なら-3)、技のダメージ-1されます。3人以上の場合は1人増える毎にさらに命中判定-2(即決勝負の判定なら-3)、技のダメージ-1されます。全力攻撃(2回攻撃)を選択すると、2人までなら判定やダメージのペナルティなしで行なえます。全力攻撃(必中の一撃)または全力攻撃(渾身の一撃)、全力攻撃(フェイント即攻撃)を選択した場合、どれか1人に対する攻撃に全力攻撃の恩恵を受けます。

可能であると判断されたなら、2人の相手に対して同時に投げ技や関節技、2人以上の相手に対して同時に打撃技を行なえます。
2人に対して投げ技や関節技を行なう場合は、成功判定に-4のペナルティがつきます。防御側はどれか1人が代表して、もう1人の持ち上げ技防御修正(「体重差影響表」参照)を加算して判定を行ないます。技が成功したら、2人にそれぞれ-1された技ダメージが与えられます。
2人以上に対して打撃技を行なう場合は、成功判定は何人いても-4ペナルティです。防御側はそれぞれ判定を行ないます。技が成功したら、それぞれに-(防御側側の人数-1)された技ダメージが与えられます。

状況によって、ツープラトン攻撃をよけることによって、敵同士を同士討ちさせることができます。
敵のうち1人が代表して相手の攻撃に対して防御判定を行ない、防御が失敗したら同士討ちしたことになり、それぞれ攻撃に使った箇所に相手の技ダメージを受けます。敵が技ではなく組みつきを避けられた場合は、その人の「突き」ダメージに、体重追加ダメージ(「体重差影響表」参照)、走っている体勢だった場合はさらに+1、飛んでいる体勢だった場合はさらに高低差ボーナスを加えたもの(「体勢によるダメージボーナス」参照)を使用します。応用して、敵選手やレフェリー、セコンドなどの他人を「ロープに振る」要領で相手にぶつけて同士討ちを誘うことができます。
同士討ちを試みた場合、敵同士に対する「攻撃」と見なされます。従ってこのターンではこれ以上の攻撃や行動はできません。

カットプレイ

カットプレイとはリング内で同じチームの選手がフォールされたり関節技をかけられたりしたときに、試合権利を持ってない選手がリング内に入ってこれを攻撃することで助ける行為です。

フォールのカットプレイは、フォールしている相手を攻撃をすることでフォールが解かれます。例えダメージが0であっても、攻撃の代わりに相手を突き飛ばすだけでもフォールは解かれます。フォールの体勢を解かない限り、相手はこのカットプレイを回避できません。
関節技のカットプレイは、まず関節技をかけている相手を攻撃します。関節技を解かない限り、相手はこのカットプレイを回避できません。攻撃された関節技をかけている側は反撃したプロレス技の技後姿勢(敵)が何であっても転倒判定を行ないます。転倒判定に成功したら、技に耐えたことになり関節技をかけたままで、反撃した側の行動が終了します。転倒判定に失敗したら、関節技が外れたことになり、両者関節技の技後姿勢になり相手と離れた体勢になります。

タッグマッチなど3人以上が参加している試合形式では、フォール判定や関節技のギブアップ判定は、(カットプレイが発生した場合)カットプレイやカットプレイを阻止するカットプレイの判定の後に行なわれます。
タッグマッチでカットプレイが発生した場合、下記のように進行していきます。

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っている選手がフォール、または関節技が成功

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っていない選手が任意で準備行動、(動ける状態ならば)リング内に移動

イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手が任意で(動ける状態ならば)リング内に移動

(リング内にいてカットプレイを試みる選手がいる場合)イニシアチブのあるチームの試合権利を持っていない選手がカットプレイを阻止する判定

(カットプレイ阻止が失敗した場合)イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手がカットプレイの判定

(カットプレイが失敗した場合)イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手のフォールを返す判定、または関節技を外す判定、ギブアップ判定

(次ターン)

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っている選手が行動終了

イニシアチブのないチームの試合権利を持っている選手がフォール、または関節技が成功

イニシアチブのないチームの試合権利を持ってない選手が任意で(動ける状態ならば)リング内に移動

イニシアチブのあるチームの試合権利を持っていない選手が任意で準備行動、(動ける状態ならば)リング内に移動

(リング内にいてカットプレイを試みる選手がいる場合)イニシアチブのないチームの試合権利を持っていない選手がカットプレイを阻止する判定

(カットプレイ阻止が失敗した場合)イニシアチブのあるチームの試合権利を持ってない選手がカットプレイの判定

(カットプレイが失敗した場合)イニシアチブのあるチームの試合権利を持っている選手のフォールを返す判定、または関節技を外す判定、ギブアップ判定

(次ターン)

カットプレイのカットプレイ

カットプレイのカットプレイは、カットプレイで味方選手のフォールや関節技を阻止しようとする敵チームの試合権利を持ってない選手を阻止する行為です。

カットプレイに入った相手を阻止するカットプレイを行なうためには、それを試みる選手は(リング内であっても場外であっても)カットプレイを試みようとする敵チームの選手とフォールや関節技をしている味方チームの選手の中間位置にいなければなりません。
カットプレイのカットを実行するには、相手に組みついて捕まえるか、打撃技を命中させる必要があります。相手が組みつきや攻撃に対して「よけ」られなかった場合、または既に相手に組みついている場合は相手が「ふりほどく」に失敗した場合、相手のカットプレイを阻止したことになります。

注意を向けさせる

タッグマッチにおいて注意を向けさせる対象は主にレフェリーか試合権利を持っている敵選手になります。

試合権利を持たない味方選手やセコンドがレフェリーの注意を自分に向けさせることで、レフェリーに見つかることなく試合権利を持っている味方選手の反則行為を行なうことができます。また、レフェリーの注意を自分ではなく敵チームに向けさせることで、レフェリーに見つかることなく凶器を渡したり反則行為を行うことができます。
方法は前述「レフェリーに注意を向けさせる」と同様です。注意を向けさせる行動が行なわれたら、レフェリーは<職業技能/プロレスジャッジ>技能レベルを目標値にした成功判定を行ない、成功したらレフェリーは注意が向くことはなく失敗したらレフェリーは注意が向きます。状況によりGMはこの成功判定にペナルティやボーナスをつけても良いでしょう。また成功判定を行なわず、わざと失敗して注意を向けることも可能です。

試合権利を持たない味方選手やセコンドが試合権利を持っている敵選手の注意を自分に向けさせることで、味方選手の攻撃に対する防御を行なわせないことができます。
注意を向けさせる行動が行なわれたら、対象となった選手は意志力を目標値にした成功判定を行ない、成功したら注意が向くことなく失敗したら対象となった選手は注意を向けさせようと試みた人に注意が向きます。これも状況によりGMは成功判定にペナルティやボーナスをつけても良いし、成功判定を行なわずにわざと注意を向けることも可能です。注意が他に向いたことにより見えなくなった方向からの攻撃に対して能動防御を行なうことはできません。

タッグマッチでの反則裁定

タッグマッチでは、試合権利を持っていない選手やセコンドがリング内に入ることは反則裁定の対象になります。
カットプレイ、ツープラトン、味方を助けるためにセコンドやマネージャーなどの試合に参加していない人の介入は、試合権利のない人がリング内に入ることになるので、その時点でレフェリーが警告して外に出るよう促します。それでもリングから出ない場合は反則裁定の判定が行なわれます。また、リング内に入らなくても試合の介入や妨害をした人も反則裁定の対象になります。反則裁定の判定方法はシングルマッチと同様です。

タッグマッチの勝敗

勝敗はシングルマッチと同様です。ただし試合権利を持っている選手が試合権利を持っている選手に対して勝敗の条件を満たさなければなりません。

バトルロイヤル

シングルマッチは2人が対戦、タッグマッチは2チームが対戦する試合形式ですが、バトルロイヤルは3人以上、もしくは3チーム以上が対戦するプロレスの試合形式です。個人同士の対戦なら試合に参加している選手全員が試合権利を持っています。チーム同士の対戦なら各チームのうち1人が試合権利を持ち、試合権利を持っている選手同士で試合を行います。

バトルロイヤルのターンの流れ

バトルロイヤルでは、ターンを始める前に試合権利を持っている選手全員が誰を攻撃をするのか決める必要があります。これはターン毎に行います。
選手の基本反応速度の高い順から、基本反応速度の値が同じ選手がいれば威厳レベルの高い順から対戦相手を決めていきます。前ターン終了時にイニシアチブを持っていない選手はターン開始時に対戦相手を決めることができません。試合権利を持っている選手のうち、イニシアチブを持っていない選手を外した残りの選手が、順に対戦相手を決めていくわけです。

対戦相手を決めたら、それを元にグループ分けを行ない、グループ毎にシングルマッチまたはタッグマッチと同様の進行をしていきます。グループ分けの結果、1人の選手が複数のグループに入ることもあります。
グループ分けの例を挙げます。A、B、C、Dが試合をする4WAYマッチで対戦相手を決める順番はA、B、C、Dの順と仮定します。
AがCを、BがDを、CがAを、DがBを指名した場合、AとC、BとDの2グループができ、AとC、BとDでそれぞれシングルマッチの要領でターンを進行していきます。
AがCを、BがCを、CがAを、DがAを指名した場合、ABとC、CDとAの2グループができ、ABとC、CDとAでそれぞれタッグマッチの要領でターンを進行していきます。
AがBを、BがCを、CがAを、DがCを指名した場合、AとBとC、BDとCの2グループができ、BDとCはタッグマッチの要領でターンを進行していきます。対戦相手の決定次第でAとBとCのように3すくみ(人数によっては4すくみ以上)のグループが出来上がる場合がありますが、後述「バトルロイヤルのイニシアチブ」の方法でイニシアチブを決定し、AとBとCはシングルマッチの要領でターンを進行していきます。

ターン開始時に決めた対戦相手をターン途中で変更することはできません。攻撃できない距離まで離れてしまったなどターン途中で決めた対戦相手に攻撃できなくなった場合であっても別の選手を対戦相手にすることはできず、このターンは攻撃や射程範囲に相手がいる状況で使用できる準備行動は行なえません。敢えて対戦相手を決めない選択をしても構いません。

バトルロイヤルのイニシアチブ

バトルロイヤルであっても、シングルマッチやタッグマッチと同様、最初のターンなどイニシアチブが決まっていない場合は試合権利がある選手同士で1Dを振り数の大きい選手がイニシアチブを取る、以後イニシアチブを持っている選手(またはチーム)から行動する、先攻にダメージを与えるとイニシアチブが入れ替わる、全力攻撃(先制攻撃)でイニシアチブを奪うことができる、といったイニシアチブのルールは変わりません。

バトルロイヤルでは、対戦相手決定で分けられたグループのうち1人(または1チーム)だけがイニシアチブを取れます。選手が複数のグループに入っていてグループが重複する場合は、重複したグループをまとめて、そのうちの1人(または1チーム)だけがイニシアチブを取れます。
1グループ、または重複したグループのうち、イニシアチブを取った選手(チーム)が先攻で、残りの選手(チーム)は全て後攻、後攻なので準備ポイントを持てません。行動は先攻、先攻を攻撃対象にしていた後攻、その後攻を攻撃対象にしていた後攻…の順になります。ターン内の流れとしては

イニシアチブのある選手(チーム)の移動、準備行動

イニチアチブのある選手(チーム)の攻撃(または準備行動)

イニチアチブのある選手(チーム)を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻1とします)の(立っている姿勢で自由に動ける状態ならば)準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニチアチブのある選手(またはチーム)を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻1とします)の攻撃(または移動、準備行動)

後攻1を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻2とします)の(立っている姿勢で自由に動ける状態ならば)準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

後攻1を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻2とします)の攻撃(または移動、準備行動)

後攻2を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻3とします)の(立っている姿勢で自由に動ける状態ならば)準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

後攻2を攻撃対象にしていた選手(チーム、仮に後攻3とします)の攻撃(または移動、準備行動)

後攻3を…

となります。
タッグチームではなく、イニシアチブを持っている選手(チーム)が含まれる複数の選手(チーム)で構成された先攻の場合、次のターンは元々イニシアチブを持っていた選手(チーム)がイニシアチブを持ち続けることになります。

ターンの流れの例を、前述でグループ分けの例として挙げたA、B、C、Dが試合をする4WAYマッチを引続き使用して挙げます。
AがCを、BがDを、CがAを、DがBを指名して、AとC、BとDの2グループができた場合、AとC、BとDでそれぞれイニシアチブを決定します。
AがCを、BがCを、CがAを、DがAを指名して、ABとC、CDとAの2グループができた場合、重複したグループABCDの中でイニシアチブを決定します。イニシアチブをAが取ったとすると、先攻のAがBとチームを組んで移動と準備行動、そしてCを攻撃、次にAを攻撃対象にしたCがDとチームを組んでAを攻撃、という順序になります。
AがBを、BがCを、CがAを、DがCを指名して、AとBとC、BDとCの2グループができた場合、重複したグループABCDの中でイニシアチブを決定します。イニシアチブをAが取ったとすると、先攻のAが移動と準備行動、そしてBを攻撃、次にAを攻撃対象にしたCがAを攻撃、次にCを攻撃対象にしていたBDがCを攻撃、という順序になります。

イニシアチブを持っている選手がグループ(または重複したグループ)の中に複数いる場合は、そのイニシアチブを持っている選手同士で1Dを振り、一番数の大きい選手がイニシアチブを取って先攻になり、残りは全てイニシアチブを持たない後攻になります。
後攻が全力攻撃(先制攻撃)を使う場合、攻撃対象は自動的に自分を攻撃対象に指名したイニシアチブを持っている選手(チーム)になります。イニシアチブを持っている選手(チーム)から攻撃対象に指名されていない後攻は全力攻撃(先制攻撃)を選択することはできません。

イニシアチブを持っていない後攻はターン開始時に対戦相手を決めることはできないため、攻撃対象にされたときに限り、攻撃した相手に対して攻撃を行なえます。誰にも攻撃せず誰にも攻撃対象にされなかった1人のグループは、攻撃は行なえませんが準備行動と移動は可能です。ターン内の流れとしては

イニシアチブのある選手(チーム)の移動、準備行動

イニチアチブのある選手(チーム)の攻撃(または準備行動)

イニチアチブのある選手(チーム)から攻撃された選手(チーム)の(立っている姿勢で自由に動ける状態ならば)準備行動(「組みつく」「助走をつける」「ロープに振る」「飛び乗る」「ロープを飛び越える」のみ)

イニチアチブのある選手(チーム)から攻撃された選手(チーム)の攻撃(または移動、準備行動)

攻撃対象にされていない選手の移動、準備行動

となります。
誰にも攻撃せず誰にも攻撃対象にされなかった1人のグループが複数ある場合は、基本反応速度の高い順から、基本反応速度の値が同じ選手がいれば威厳レベルの高い順から行動します。

イニシアチブのある選手(チーム)は、攻撃や準備行動の行なえる状況にある誰にも攻撃せず誰にも攻撃対象にされなかった1人のグループを指名してチームを組んで、攻撃対象を攻撃できます。条件が合えば、何人でも指名できます。指名された1人のグループはチームを組むのも拒否をする意思を示すのも自由です。

バトルロイヤルの勝敗

勝敗はシングルマッチやタッグマッチと同様です。ただしバトルロイヤルでは複数チームが対戦するので、先に勝利条件を満たした選手(またはチーム)が勝利する場合と、負けた選手(またはチーム)から脱落していき最後に残った選手(またはチーム)が勝利する場合があります。どちらにするかは予め試合ルールと共に決めておく必要があります。
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